2026年2月6日から10日までの5日間、ドイツ・フランクフルトで開催された世界最大級の国際消費財見本市「Ambiente(アンビエンテ)2026」。友安製作所は、自社ブランド「by TOMOYASU S.S.」を掲げ、初出展を果たしました。
未発表の新作14点を含む、厳選された約40点のアイテム。日本の職人技が、世界のバイヤーやデザイナーたちの目にどう映ったのか。現地の熱気とともにレポートします。
目次
世界中からくらしのトレンドが集まる場所「Ambiente」
アンビエンテは、世界160カ国以上から来場者が訪れる、まさにくらしの国際展示会です。広大な「メッセ・フランクフルト」の会場は、大きく「Dining」「Living」「Giving」のエリアに分かれ、その規模は1日では回りきれないほど。
今回、友安製作所がブースを構えたのは、最新のトレンドをとらえたインテリアや生活雑貨が集結するエリア「ホール3.0」。名だたるグローバルブランドが最新トレンドを競い合う中、私たちは「日本のものづくり企業」としての真価を問うべく、単独出展に踏み切りました。

あえてシンプルを極めた友安製作所の展示空間
色とりどりで華やかなブースが軒を連ねる中、友安製作所の展示スペースはあえてシンプルを極めました。真っ白な壁と什器で構成した空間。そこに並べたのは、鉄の素地がそのまま見える「クリア塗装」の商品たちです。通常、by TOMOYASU S.S.の商品は8色のカラー展開がありますが、今回はあえて「色」で飾ることをしませんでした。それは、職人の高い溶接技術と、妥協のない美しいフォルムを見てほしかったから。 鉄と木、素材そのものの美しさが際立つ空間は、来場者の目を引き、「限りなくミニマルだけど、手仕事の温かみが宿っている」と高い評価をいただきました。

また昨年、世界3大デザイン賞のiFデザイン賞でゴールドアワードをいただいた掃除道具シリーズ「BRUSHUP」も展示。こちらは壁一面を使い、人気の白と黒の2色を展示しました。

特に注目を集めた展示アイテムを紹介
今回の展示で特に注目を集めたプロダクトを、新商品を中心にいくつかご紹介します。現在日本では未発売ですが、今後順次発売予定なので、ご期待ください。
sumika – ウォールシェルフ
鉄と木を組み合わせた壁つけの棚「sumika(スミカ)」。今回の展示で最も目を引いたアイテムのひとつです。sumikaの最大の特徴は、使う人のライフスタイルに合わせて自由自在に変化する「カスタマイズ性」にあります。


鍵置き、ブックシェルフ、アクセサリートレイ、ハンガーラック、さらには一輪挿しの花瓶まで。くらしの中のあらゆる小物の居場所を、この棚ひとつでつくることができます。
そして各パーツはジョイント式になっていて、パズルのように自由に組み合わせが可能。設置する場所の広さや、収納したいものに合わせて、自分だけの理想の壁面を構築できます。
海外の住宅は日本よりも壁を活用する文化が強く、日本の省スペースのための知恵が、海外の広い壁をアートのように自由に編集する楽しさとして解釈されたようで、高い関心を集めました。
entotsu – ツーウェイデスクオーガナイザー
デスク周りをスマートに、かつ印象的に彩る2WAYのデスクオーガナイザー「entotsu(エントツ)」。その名の通り、煙突がちょこんと立っているようなシルエットが特徴です。


単なるペン立てに留まらない、鉄の素材を活かしたアイデアが来場者の注目を集めました。本体の鉄板部分を「山型」にするか「谷型」にするかで、2通りの使い方が楽しめます。山型にすると、メモやポストカードを立てかけ、視覚的に楽しむ「飾る」スタイルに。谷型にすると、ペンや定規などの文房具をまとめ、デスクを整える「収納」スタイルになります。
散らかりがちなデスク上の小物を整理しながら、まるでオブジェのように空間を飾ることができるデザインと、鉄という硬質な素材を使いながらも、どこか温かみを感じさせるフォルムが、家からオフィスまで、幅広いシーンに馴染むアイテムとして評価いただきました。
kiri – ミニマムテープカッター
「by TOMOYASU S.S.」のラインナップの中でも、その愛らしいフォルムで多くの足を止めさせたのが、アイアン製のマスキングテープカッター「kiri(キリ)」です。

霧の中から顔を出す山々を連想させるような、三角形が二つ並んだデザイン。鉄という重厚な素材を使いながらも、手のひらサイズに凝縮されたその佇まいは、まるでデスクに飾る小さなオブジェのようです。
また単に可愛いだけでなく、鉄自体の重みを活かしているため、テープを引き出す際も本体が動きにくく、安定した使い心地を実現しています。
会場では、そのミニマルな造形美に「日本らしいね!」と、デザインに敏感なバイヤーたちからも関心を寄せていただきました。
kabuto / yari / yumi アイアンハンガー
実用的な日用品に、日本の美意識を落とし込んだアイアンハンガー「kabuto(カブト)」「yari(ヤリ)」「yumi(ユミ)」も、多くの来場者の足を止めました。

ただ服をかけるための道具ではなく、何もかかっていない時ですら「壁面を彩るアート」のように絵になるミニマルなデザインが、感度の高いバイヤーから高く評価されました。
「kabuto」と「yari」は、一見すると無垢の鉄塊のような重厚な佇まいですが、実は、中は空洞の鉄パイプ構造。手に取った方からは「見た目以上に軽くて扱いやすい!」と驚きの声が上がりました。
そして特に注目を集めたのは、その仕上げの美しさ。鉄パイプを繋ぎ合わせているにもかかわらず、どこにも溶接の跡が見当たらない。まるで一つの素材から削り出されたかのような滑らかな線は、「日本の町工場の技術はここまで繊細なのか」との声をいただきました。
hagi – 天然木カッティングボード
鉄製品が並ぶ中で、その温かみのある質感で注目を集めたのが、天然木を贅沢に使用したカッティングボード「hagi(ハギ)」です。

最大の見どころは、異なる2種類の木材を組み合わせたその意匠にあります。色合いが異なる木を繋ぎ合わせているにもかかわらず、その境界線は驚くほど滑らか。手で触れても継ぎ目を全く感じさせない精巧な仕上げが好評でした。
素材同士を丁寧に、そして美しく繋ぎ合わせる。鉄の溶接技術に通じる「精度へのこだわり」が、木工製品にも息づいていることを証明した一品だったと思います。シンプルだからこそ誤魔化しが効かない、その美しさが、デザインに厳しい目を持つ各国のバイヤーからも高く評価いただきました。
出展のまとめ:世界で実感した、私たちの現在地
今回のアンビエンテ2026への初出展は、単に商品を披露する場ではなく、友安製作所が日本の町工場として培ってきた「技術」と「アイデア」が、世界という大きな舞台でどう受け止められるのかを問う挑戦でもありました。そんな中、私たちのブースに足を止めていただいた方々からの反応は、想像を超えるものでした。
「モダンで人のの感性に訴えるデザインが日本らしくて素晴らしい」
「クリア塗装で溶接痕を隠さない潔さに、職人のプライドと誠実さを感じる」
などなど、いただいた言葉の一つひとつが、不安と緊張でドキドキだった私たちを、少しずつ勇気づけてくれました。流行を追うだけでなく、素材と真摯に向き合い、職人の手仕事によって「機能」と「美しさ」を突き詰める、そんな普遍的な価値が国境を越えたのだと思います。

今回のアンビエンテ出展は、まだスタート地点。たくさんの方からいただいた期待と、現地で肌に触れた新しい感性を持ち帰り、さらに私たちらしいものづくりを加速させていきます。日本の小さな町工場から、世界中の人々の人生を彩るブランドへ。「by TOMOYASU S.S.」を通して友安製作所が描く新しいものづくりに、どうぞご期待ください。
★現在販売中の「by TOMOYASU S.S.」の商品はこちらからご覧いただけます。













