梅雨時や花粉の季節、屋外に洗濯物を干せない日が続くと憂鬱になりがち。部屋干し用のスタンドを出せば、たちまち生活感があふれてしまう・・・。
そんな悩みを解決してくれるのが、友安製作所オリジナルブランド「TEKKI CRAFT(テッキクラフト)」から生まれた、天井付けハンガーバー「ten(テン)」と「ten・ki(テンキ)」です。
いずれも天井にしっかり固定して使うランドリーバーなのですが、使い方次第では、ちょっとした洋服掛けにしたり、観葉植物を飾ったりと、汎用性が高いことも魅力。
空間を圧迫せず、使っていないときも空間に馴染み、必要なときだけ活躍するーあとはそっと空間に溶け込んでくれる、そんな控えめな美しさも魅力です。
目次
確かな品質と暮らしを彩るデザイン—TEKKI CRAFTとは

このプロダクトを生み出したのは、友安製作所のオリジナルブランド「TEKKI CRAFT(テッキクラフト)」。企画・設計・加工・塗装・仕上げまで、すべてを自社で手がけ、大阪・八尾の工場でひとつひとつ、丁寧に製造しています。
鉄工と木工、それぞれの技術を併せ持つ職人たちが、素材選びから加工・塗装に至るまで、細部にわたって品質を追求しています。
今回紹介する「ten」「ten・ki」も、そんなテッキクラフトシリーズのひとつ。空間に馴染みながらも、確かな存在感を放つ“暮らしに寄り添う家具”は、どんな思いで生まれたのでしょうか。
ランドリーバーを、デザインする。「ten」「ten・ki」が生まれた理由

「ten」「ten・ki」は、近年増えている室内干しニーズに応えて企画されたアイテム。
ライフスタイルの変化や花粉・PM2.5対策で家の中で洗濯物を干す人が増えている今、ランドリールームがなくても後付けで室内干しスペースを作れるようにと生まれました。
しかし、その使い方は多種多様。ランドリーバー以外にも、見せたいアイテムをかけたり、洋服の収納ラックとして活用するなど、アイディア次第でその人の暮らしに寄り添う使い方ができます。
そんな「ten」「ten・ki」を企画をしたのが、友安製作所のマーケットデザイン部・企画課に所属するViviです。社内のデザイナーや工場の職人たちと密に連携し、約半年の制作期間をかけて商品化を実現しました。
この人にお話を聞きました

Vivi(ヴィヴィ):マーケットデザイン部 企画課
ビジネスネームの由来:ビビッときた自分の直感を行動の原点としたいという思いから
友安製作所の好きなところ:困っていても、絶対に誰かが助けてくれるところ
今情熱を注いでいること・趣味:窓装飾プランナーの資格取得
メッセージ:とにかくがむしゃらに、笑顔で、感謝を忘れずにお仕事します!
「ten」と「ten・ki」──2つの素材・2つの表情。
ten|無骨で潔い、オールアイアン
「ten」は、アイアン(鉄)素材でできたシンプルなハンガーバーです。一本の鉄パイプを職人が曲げ加工して作り上げた一体成型デザインのため、バーの両端から天井に向かって緩やかなカーブを描く形状で、接合部の継ぎ目が一切ありません。
このため全体に統一感があり強度も高く、ハンガーのフックが引っ掛かる心配もない滑らかな仕上がりとなっています。
アイアンならではの重厚感を持ちながらも装飾は極力抑え、ミニマルで飽きのこない造形はどんなインテリアにもマッチする点も魅力のひとつ。
そして、天井に取り付ける際のビス穴にもちょっとしたこだわりがあります。
天井から吊り下げるタイプの製品は、通常、十分な幅のある下地が必要となったり、下地の通っている方向によって取り付け位置が限定されたりするケースがあります。
「ten」の商品は、ビス穴を商品に対して十字になるように設けることで、5mm幅より大きな幅の下地があるところであれば固定することができるように設計しました。

※対角2点を下地のある場所に固定すれば、最低限の固定ができるというだけであって、もちろん、4つのビス全てに下地がある方が強度が上がります。

細かい視点ではありますが、お客様ファーストにこだわり、お客様の視点でどうすればいいかを考えて設計しました。これにより、今までの下地の幅が足りず、天井にバーを取り付けるのを諦めていたお客様にも、tenのアイテムが手に取りやすくなっていれば嬉しいなと思います。
カラーはツヤを抑えた質感のブラックとホワイトの2種類展開
シャープでスタイリッシュな印象を与えるブラックは、モノトーンやインダストリアルな空間にぴったり。柔らかく清潔感のあるホワイトは、ナチュラルテイストや北欧スタイルにもよくなじみます。

どちらもツヤを抑えた上質な質感が魅力です。お部屋の雰囲気によって色味を選んでいただければと思います。
また、TEKKI CRAFTの鉄を使用した商品には「粉体塗装(パウダーコーティング)」と呼ばれる塗装方法を採用しています。
粉体塗装(パウダーコーティング)とは:静電気で粉状の塗料を鉄の表面に付着させ、高温で焼き付ける加工方法で、一般的な液体塗装と比べて塗膜が厚く、傷やサビに強く、耐久性が高いのが特長です。
塗料に有機溶剤を使わないため、人体や環境への負荷も少ないエコな塗装技術として、家具や建築資材にも広く使われています。

今後は、空間の個性に合わせて選べるよう、カラーバリエーションの追加も予定しています。
S・M・Lの3サイズ展開で理想の使い方に対応

幅はSサイズ(60cm)・Mサイズ(90cm)・Lサイズ(120cm)の3種類展開。日本の住宅の天井下地(梁)の一般的な間隔に合わせたサイズ設計になっており、適切な場所にビス留めできるよう考慮されています。
耐荷重は目安として約10kgあり、例えSサイズでも洗濯物を十分に掛けられる強度です。
実際に「ten」を天井に取り付ければ、まるでショップのディスプレイ什器のようなおしゃれなハンガーラックスペースが生まれます。
アイアンの無骨さがインダストリアル系やモダンなインテリアと相性抜群で、観葉植物を吊るしたりお気に入りのジャケットを飾ったりと“見せる収納”としてのアレンジを楽しむのもおすすめ。

ハンガーの掛け外しがしやすい50cmタイプは、ランドリーバーとしてとても優秀です。一方で、高さ35cmのタイプを選べば、グリーンを吊るすなどディスプレイ用途としても活躍します。
視界の上方に収まり、圧迫感のないサイズなので、取り付けっぱなしでもお部屋がスッキリ見えるのも、「ten」ならではの特徴です。
ten・ki|鉄と木、やわらかく調和するコンビネーション

次に紹介する「ten・ki」は、その名の通り「ten(天井)」+「木」の組み合わせから生まれたハンガーバーです(読み方は「テン・キ」)。
アイアン製の天井取付ブラケットと、美しい木目の天然木バーを組み合わせたこちらのアイテム。
一見すると異なる素材の組み合わせですが、塗装されたアイアンと、温かみのあるウォールナット/オークの木目が絶妙にマッチし、空間に馴染むデザインに仕上がっています。

アイアンと木目、対象的な素材の組み合わせでも、無骨なアイアンをあえて細い線で描いたような華奢で繊細なデザインに仕上げることで、全体的に統一された印象になっています。お部屋の雰囲気やお好みに合わせて、ブラケットの色・バーの種類を選んでカスタムできるのも「ten・ki」ならではの楽しさです。
取り付け位置もサイズも選べる、ten・kiの高い自由度
「ten・ki」のもう一つの特徴は、取り付け自由度の高さにあります。木製のバーには初めから下穴を開けておらず、付属のビスで好きな位置にブラケットを固定できるようになっています。
これにより天井の下地間隔に柔軟に対応でき、理想の位置にバーを設置することが可能です。

幅は、Sサイズ(70cm)・Mサイズ(100cm)・Lサイズ(130cm)の3種類、ブラケットの長さ(天井からの高さ)は「ten」と同じく35cmと50cmが選べます。耐荷重も約10kg程度と十分で、洗濯物や植物を安心して吊り下げられます。
※ただし木製バーは、性質上、しなやかに撓む可能性があるため、ものを掛ける際は過度な荷重を避け、必要に応じてブラケットを追加することをおすすめします。
L字ブランケットを追加して、あなただけのカスタム空間を

「ten・ki」では、取り付けの自由度を高めるL字ブラケット(別売)をご用意しています。
部屋のコーナーなど、壁が直角に交わる部分にも沿わせて設置できるため、空間を無駄なく活用でき、ディスプレイや収納の幅が広がります。
サイズの異なるバーを複数組み合わせれば、自分好みの収納空間を自在にアレンジ可能。さらにバーの両端には、プラントハンガーや輪状の小物をフックなしで直接掛けられるため、吊るす収納やディスプレイも気軽に楽しめます。

こちらのようなマクラメタイプのプラントハンガーとの相性も抜群
画像のように、グリーンを吊るして空間に動きを出したり、アクセントを加えたり、お気に入りの小物を飾ってショップ風の雰囲気を楽しんだり。
ただのランドリーバーに留まらない「見せる収納」としての魅力が、ここにも詰まっています。

「ten」「ten・ki」どちらもシンプルながら存在感があり、こだわりの詰まった友安製作所オリジナルアイテムです。ここにしかない、特別なアイアン家具としてお部屋に迎え入れていただければ嬉しいです。
暮らしに合わせて、使い方はもっと自由に。

「ten」「ten・ki」は日々の暮らしの中でさまざまなシーンに応えてくれる万能アイテム。
普段から部屋干し派の方はもちろん、「雨の日だけ室内干ししたい」という方にも、必要なときにさっと洗濯物を干せる“頼れる場所”を提供します。それだけにとどまらず、 天井から吊るすという設計は、暮らしの中に新しい視点と余白を生み出します。
たとえば
- 洗濯物を干すランドリーバーとして
- 帽子やストール、バッグなどお気に入りのファッションを見せる収納に
- 観葉植物やドライフラワーなどを吊るして、空間に立体感を加えるディスプレイ用バーに
- 玄関に取り付けて、傘やレインコートなどの一時掛けとして
- 店舗やイベントスペースで、商品や装飾を吊るすディスプレイ什器として
その佇まいはシンプルで静か。 だからこそ、何を掛けるか、どう見せるかは自由自在です。
使い方が限定されていないということこそ、このランドリーバーの大きな価値のひとつといえるのではないでしょうか。
まとめ:暮らしに、“吊るす”という選択を。

見せたいものを飾る、隠したいものを吊るす、暮らしの導線をつくる。“吊るす”というシンプルな動作の中に、思っている以上の心地よさと自由さが隠れているかもしれません。
あなたの暮らしに寄り添い、空間をデザインするー「ten」「ten・ki」が、使う人の目線で暮らしに寄り添い続けてくれる、そんなアイテムになってくれていたら嬉しいです。
商品ページはこちらから
「ten」と「ten・ki」は、月に一度の商品戦略MTGで、「こんな商品があるといいよね」というチームの提案から生まれた商品です。せっかくつくるのであれば、友安製作所でしかつくれないおしゃれなランドリーバーをつくりたい、実際に使う人の利便性や取り付けやすさも重視したい、とあれこれ考えながら企画しました。結果として、デザイン性と実用性を兼ね備えたランドリーバーをつくることができたと感じています。