少し前までは、壁紙と言えば「白」というイメージ。でも最近では、さまざまな色や柄の壁紙があり、選ぶのにも迷ってしまいます。
新築やリノベーション、DIYで失敗しない壁紙選びを行うには、どうしたらよいのでしょうか?
そのヒントになるのが、「輸入壁紙」。
壁紙の基礎から、輸入壁紙をおすすめする理由、さらにインテリアスタイル別のおすすめ輸入壁紙もご紹介します。
目次
部屋の印象を変える壁紙の効果
壁紙は、部屋の中でも最も大きな面積を取るインテリアアイテム。
そのため、壁紙の色や柄、素材といった要素で、インテリアの雰囲気がガラリと変わってしまいます。
逆に言えば、壁紙を理想のインテリアスタイルにすれば、一気にそのスタイルに近づくことができるということ。
失敗しない「壁紙選び」まずは、好きなスタイルを見つけること
壁紙を選ぶ前に、まずは部屋全体を「どんなスタイル・雰囲気にしたいのか?」考えてみましょう。
そのときヒントになるのが、雑誌やWEBサイト、Pinterest(ピンタレスト)やInstagram(インスタグラム)といったSNSです。
それらから自分が気になるキーワード、例えば「北欧 インテリア」といったキーワードで画像を検索し、「これが好き!」と思えるインテリアを探しましょう。
全体の雰囲気が好きというだけでなく、「この壁の色が好き」「この家具が好き」といった部分的なものでも、たくさん集めていくうちに、自分の好きなスタイルが明確になってきますよ。
また、実際にインテリアショップやカフェなど、おしゃれな空間を巡って探すのもおすすめ。
自分自身のセンスアップにもつながり、これまで触れて来なかったさまざまなインテリアを見ることで、選択肢も広がり、思わぬ発見がある場合も。
失敗しない「壁紙選び」の基本
好きなインテリアスタイルが明確になったら、実際に壁紙を選んでみましょう。
でもその前に、「壁紙の基本」を抑えておくと失敗しにくくなりますよ。
① 壁紙の種類を理解しておくと便利
一般の建売住宅やマンションに貼ってある壁紙は、ほとんどが国産壁紙。
そして、その国産壁紙の約90%がビニール製の壁紙、「ビニールクロス」と呼ばれるものです。
では、その他の国々の壁紙は何でできているのか? もちろんビニール製も存在しますが、最も多くのシェアを誇っているのが、「フリース(不織布)」、そしてその他に「紙」の壁紙も普及しています。
これらビニール、フリース、紙の壁紙には、下記のようにそれぞれメリットとデメリットがあり、壁紙を選ぶ際にもポイントになりますので、頭に入れておくと便利です。
壁紙の素材によるメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
ビニール | ・安価で手に入り、日本製なのでサイズも半間の幅(91㎝)に近い92㎝が多く使いやすい。 ・1m単位での切り売りもできることがほとんど。 | ・端に「ミミ」の部分があるため、柄を合わせて重ね切りをする必要があり、DIYでは難易度が高い。 ・比較的早くに剥がれやすく、定期的な張替えが必要。 |
フリース | ・ビニール製と違ってミミがないため、見たままの柄合わせでDIYにもおすすめ。 ・海外製のため、デザインも華やかなものや個性的なものなど多種多様。 | サイズが50㎝×10mのものが多く、切り売りが少ない。価格も少し高め。 |
紙 | ・3種類の中で最も印刷が美しく出るため、写真やキャラクターの絵柄は紙製が多くなる。 | 紙の特性上、他のものより破れやすく、水や洗剤などがシミになる恐れも。水回りには不向き。 |
② DIYかプロに頼るかで選ぶ壁紙が変わる
壁紙を選ぶ際、最初に決めておきたいのが、「DIYで貼る」のか「プロに任す」のかということ。
この選択によって、選ぶ壁紙が大きく変わってきます。
前述した壁紙の素材によるメリット・デメリットを考慮すると、施工の仕方などによるおすすめの壁紙の素材はコチラです。
③ 「機能」も壁紙を選ぶ基準に
壁紙にはさまざまな機能を持つ商品があり、壁紙を選ぶ際には、その機能面も選ぶ基準の一つ。
「機能面を重視したい」という人は、壁紙を使用したい場所や求める機能に合わせて壁紙を絞り込むことができます。
主な壁紙の機能は、下記のようなものが挙げられます。
【機能】 | 【おすすめの使用場所】 |
---|---|
吸放湿・通気性 | 湿気がこもりやすい場所、換気が難しい場所に →洗面所、クローゼット、寝室、和室など |
抗菌・抗ウイルス | 衛生的に保ちたい場所に →トイレ、リビング、キッチン、クリニック、幼稚園など |
汚れ防止 | 油汚れや水汚れなどから守りたい場所に →トイレ、洗面所、キッチン、子ども部屋など |
耐久性 | ペットのひっかき傷など、壁紙を傷から守りたい場所に →リビング、玄関など人目に触れやすい場所 |
④床や建具の色をチェックしよう
床や建具の色はどんな色ですか?
新築やリフォームなどで、壁紙を決める際の基本と言われるのが、「床→天井→建具→壁紙」の順番で選んでいくこと。
リフォームやDIYで壁紙だけ替えたいという場合は、既存の床・天井・建具の色やデザインをチェックしていきましょう。
上の写真のように、濃いめのブラウン、ナチュラルなブラウン、さらに白っぽい床材では、大きくイメージが異なります。
床の色でインテリアイメージが大きく変わる
床は壁同様に面積が広いため、インテリアのイメージを大きく左右するアイテム。
カラーによって、下記のようにマッチしやすいインテリアスタイルが異なります。
新築やリノベで床の色を選べる場合は、ぜひこういったイメージを考慮して床材を選んでください。
床の色 | マッチするインテリアスタイルの例 |
---|---|
ダーク~ミディアムブラウン | ミッドセンチュリー、ヴィンテージ、クラシック 他 |
ライトブラウン | ナチュラル、北欧系、シンプル 他 |
ホワイト系 | シャビー、ガーリー、韓国風 他 |
大理石調 | モダン、クラシック 他 |
「床から天井に向かって明るく」が基本
床・壁・天井のカラーバランスを上手く取ることで理想の空間を実現することができます。
◆開放感ある空間にしたいなら、「床→壁→天井」の順に明るいカラーに。
◆寝室などに「おこもり感」を出すなら、天井をワントーン暗めに。
また、「ナチュラル系のインテリアが理想なのに、床の色がダークブラウン…」など、床の色を変えられない場合にも、この法則でスタイルに合った色や柄の壁紙を選ぶことで、理想のインテリアに近づくことができます。
失敗しない壁紙選びのおすすめは「輸入壁紙」
これまで見てきたように理想のインテリアに近づくための壁紙選びには、さまざまなポイントがありますが、手っ取り早く部屋をセンスアップするおすすめアイテムが「輸入壁紙」。
特に輸入壁紙で近年世界的にも主流となってきているフリース壁紙は、扱いやすくてDIYにも最適です。
輸入壁紙は柄物も多く、画一的な住宅が多い日本では、「合わせるのが難しい」「飽きてしまいそう」「失敗しそう」といった理由で敬遠しがちな壁紙です。
しかし、輸入壁紙はデザイン性も高く、上手く使えば理想のインテリアスタイルへの近道になるアイテムなんです。
輸入壁紙のメリット・デメリット
★輸入壁紙のメリット
●デザイン性が高くセンスアップできる
アクセントウォールとして狭い範囲に取り入れたとしても、輸入壁紙はデザイン性が高く目を惹く存在。それだけでおしゃれに見せることができます。
●幅が狭く女性でも貼りやすい
輸入壁紙の主流であるフリース壁紙の場合、国産壁紙よりも幅が狭く、小柄な女性でも貼りやすいことも魅力。
※国産壁紙が約90㎝幅に対し、輸入壁紙は50㎝程度が多い。
●フリース製なら破れにくい
輸入壁紙の主流であるフリース壁紙は、耐久性が高く破れにくいため、DIYにも最適。
★輸入壁紙のデメリット
●印象が決まりやすい
インパクトが強い柄になると、それだけでイメージが決まりやすく、間違った選び方で後悔する場合も。
●国産壁紙よりも納期がかかる場合も
輸入壁紙は、現地から取り寄せる場合には納期に数週間かかってしまう場合も。急ぎの場合は、日本国内にストックがあるかどうかもチェックしましょう。
さまざまなデザインの輸入壁紙
輸入壁紙はデザイン性の高い柄物も多く、その柄物のタイプもいろいろ。
細かい柄のものや、一枚の絵のようなデザイン、写真のようにリアルなデザインなど、国産壁紙ではあまり見られないような個性的なデザインも多いですよ。
その中でも主だったパターンを紹介していきますので、壁紙選びの参考にしてみてください。
同じ柄が連続するデザイン
私たちがよく目にする柄物の壁紙と言えば、上の写真のように同じ柄を連続させるデザインが多いと思います。
その中でも輸入壁紙では、フレンチ系の花柄や海外ならではの華やかな柄、クラシックな伝統柄など、国産壁紙ではあまり見られないようなさまざまな柄の壁紙があります。
柄物が初挑戦の方も、細かな柄や落ち着いた色合いであれば取り入れやすく、インテリアのセンスアップにもつながります。
フェイクパターンのデザイン①
タイルやレンガ、大理石、木目といった素材を中心に、本物に似せたフェイクでデザインされた壁紙。
近年では、フェイクと思えないほど精巧なデザインも多く、「タイルや木材を貼りたいけど予算的に難しい」という場合にも重宝します。
実物を使うよりもリーズナブルにリアルな雰囲気をインテリアに取り入れることができます。
もちろん国産壁紙でもこのようなフェイクデザインは販売されていますが、「人とかぶらないデザイン」という点、さらにDIYするのであれば「柄合わせがしやすい」点が魅力です。
「柄合わせ」についてはコチラをチェック!
壁紙はどれも幅が決まっているため、どうしてもその幅以上の面積を貼る場合は、隣り合う壁紙との柄合わせが必要になってきます。
その際、国産壁紙(ビニール壁紙)の場合は、端に「ミミ」という余分な部分があるため、壁紙を重ねた上から「重ね切り」を行う必要があります。
フェイクパターンのデザイン②
フェイクデザインの中でも、上の写真のように一枚の風景をリアルに切り取ったデザインは、まるで騙し絵のよう。
もし、「ニューヨークのSOHOっぽくしたい」「ヨーロッパの古城のようなインテリアが憧れ」といった目指すインテリアのテーマなどが決まっているのであれば、それに合わせたフェイクデザインを一面に取り入れるだけで雰囲気を作ることができます。
ただし、どうしてもデザインを活かすことができる壁紙の幅や高さが決まってしまうため、貼る場所や面積に注意が必要です。
一枚の絵画のようなデザイン
まるで壁をキャンパスに一枚の絵画を描いたような壁紙。
こういったデザインも輸入壁紙の大きな魅力です。
部屋全面に貼るのではなく、アクセントウォールとして1面だけ貼るのがおすすめ。
また、こういったパターンのデザインは、下記のように分割して貼り合わせる形になっていることも多く、白い余白部分で切り離して順に貼っていきます。
分割できるようになっています!
インテリアスタイルに合わせた輸入壁紙
デザインのバリエーションが豊富なことは輸入壁紙のメリットでもありますが、選ぶのに迷ってしまうのも事実。
そこで、インタリアスタイル別のおすすめの輸入壁紙をご紹介します。
北欧スタイルにおすすめな輸入壁紙:marimekko
北欧スタイルのインテリアは、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドといったスカンジナビア半島周辺地域のインテリア。
明るい白木の家具や照明などを取り入れたナチュラルなインテリアがメインですが、北欧デザイナーのカラフルなデザインをアクセントとして取り入れる場合も多く見られます。
marimekkoは、フィンランド発祥のブランド。
国や世代問わず長く人気のmarimekkoは、北欧インテリアにも欠かせないアイテムの一つです。
独創的な柄と色使いは、壁紙を1点取り入れただけでお部屋をセンスアップできるというメリットも。
韓国風インテリアにおすすめの輸入壁紙
韓国風インテリアは、白やベージュ、ホワイト系のくすみカラーを中心とした、ふんわりとした印象を持つインテリアスタイル。
木製の家具と小物やファブリックでアクセントを加えたものが多く、ナチュラル系が好きな方も移行しやすいインタリアスタイルです。
韓国風インテリアに輸入壁紙を合わせるなら、ホワイト系の大理石風の壁紙や、淡いピンクがかった壁紙など、フェミニンな要素があるものをチョイス。
ちなみに上の「アヴァーリオ」は、韓国で高いシェアを誇る壁紙ブランドの製品です。
フレンチシャビーなインテリアにおすすめの輸入壁紙
フレンチシャビーは、「シャビーシック(Shabby chic)」にフレンチ風の要素を足したスタイル。
“使い古されているけど優雅で雰囲気のあるインテリアスタイル”を表しています。
白や薄いグレー、淡い色がメインでどこかクラシックな雰囲気のある壁紙なら、フレンチシャビーにもマッチ。
シンプルな白い壁紙もステキですが、せっかくですから上の例のような柄物の壁紙でフレンチシャビーのインテリアを作ってみては?
クラシックなインテリアにおすすめの輸入壁紙
クラシックなインテリアは、伝統的な家具やファブリックを取り入れた落ち着きのあるエレガントなインテリア。
木製家具も淡い色よりも濃く深い色や使い込まれたような色が多く、ホテルのラウンジなど格式ある場所で使われるスタイルから、本物のアンティーク家具を取り入れた味のあるインテリアまで、クラシックの中にもさまざまなスタイルがあります。
写真のような「ダマスク柄」は、クラシックなインテリアを作る際に最適な模様。
シリアのダマスカス地方で生まれた織物の模様でヨーロッパ各地に広がり、エレガントなインテリアを作るのに欠かせない要素の一つとなっています。
輸入壁紙でつくる理想のインテリア
一枚のアートのようなデザインから、親しみやすいボタニカル系のデザインなど、輸入壁紙には本当に幅広いデザインが存在します。
その分、理想のインテリアを実現するための選択肢もたくさんあるということ。
輸入壁紙を使って、ご自身の理想のインテリアをつくり上げてみてください。
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