冷暖房効率で選ぶなら、迷わずカーテン!専門家が教える省エネ術

季節に関係なく、最近、電気代の請求書を見て「高くなったなぁ…」と感じていませんか?
エアコンを控えめにしたり、こまめに電気を消したり…いろいろ工夫しても、なかなか光熱費って下がらないものですよね。
実は、その原因のひとつが“窓”。
家の中の冷気や暖気の多くは、窓から出入りしているんです。だからこそ「窓まわり対策」を工夫することが、省エネにも光熱費節約にも直結します。
窓まわりのプロである窓装飾プランナー「冷暖房効率を考えるなら、やっぱりカーテンがいちばん」と断言。今回は、ブラインドやロールスクリーンなど他のアイテムと比べながら、“なぜカーテンが最強の省エネアイテムなのか”をやさしく解説していきます。

窓は“熱の出入り口”

冬の暖房時には、部屋を温めた空気の約50%が窓やドアなどの開口部から逃げていくと言われています。つまり、せっかく暖房を強めても、窓から半分以上が外に出てしまっているんですね。

逆に夏はどうでしょう? 今度は外からの熱の侵入が問題に。なんと約68%もの熱が窓などを通して室内に入り込むというデータもあるくらいです。
冷房を効かせても「なかなか部屋が涼しくならない」と感じるのは、この窓からの熱の出入りが原因のひとつなんです。

だからこそ、省エネを考えるなら“窓まわりの工夫”が欠かせません。ちょっとした見直しで、体感温度も、そして毎月の光熱費も大きく変わってくるんですよ。

冷暖房効率で選ぶならカーテン!の理由

ドレープがキレイなドレープカーテン(厚地カーテン)

窓まわりの工夫が冷暖房効率をよくすることはわかってもらえましたか?
では、どう工夫すればよいのか? その答えは、窓まわりアイテムを「カーテンに替える」だけ。
その理由を窓まわりのプロである「窓装飾プランナー」のColinに聞きました。

窓装飾プランナー

カーテンは、他の窓まわりアイテムに比べて、窓からの冷気や熱が入りにくく、冷暖房が逃げにくいんです。
その理由は、カーテンと窓の間にできる空気の層。カーテンには大なり小なりドレープがあります。ドレープとは、布を垂らしたときにできるゆるやかなヒダやたるみのこと。このドレープに空気の層ができ、窓からの冷気をシャットアウトし、逆に熱を逃がしにくくしているんです。

他の窓まわりアイテムの弱点

窓まわりアイテムには、カーテンの他にさまざまなものがあります。
それらのアイテムが、なぜ暖房効率を上げるためにはおすすめできないのか?その弱点を解説していきます。

ブラインド:スタイリッシュだけど、羽根の間から冷気が…

ウッドブラインド「ベネウッド50」スタンダード

スタイリッシュでスッキリした印象になるブラインド。しかし、冷暖房効率をよくするには、ちょっと不向きなアイテムです。
そもそも、スラット(羽根)の間に隙間があるため、冷気や熱をシャットアウトできません。また、設置の仕方として、天井付けは窓を覆うことができず、隙間が多くなってしまいます。窓枠を覆う設置の仕方(正面付け)にしたとしても、スラット同士の隙間があるため、冷暖房は逃げてしまいます
加えてサイズに限界があるため、掃き出し窓などの大きな窓には、2枚以上を使うことになり、ブラインド同士の間にまた隙間ができてしまいます…。

ここで言う「天井付け」とは、窓枠の上側(天井側)に設置すること。

ロールスクリーン:スッキリするけど隙間が…

つっぱり式ロールスクリーン「ローリープロップ」

フラットでスッキリした印象になるロールスクリーン。生地によって遮光性が高いものもありますが、冷暖房効率となると、ちょっと弱いアイテムです。

ブラインドと同じく、設置の仕方として天井付けにすると隙間が空いてしまい、窓枠を覆ったとしても、窓や壁との間に隙間ができてしまいます。また、こちらもブラインドと同じく、サイズに限界があり、掃き出し窓などの大きな窓には、2枚以上使うことになり、その間にも隙間ができてしまいます。
つまり、冷暖房の空気が逃げてしまったり、外からの熱や冷気が入りやすいということ。

ハニカムブラインド:断熱保温効果はあるけど…

遮光1級ハニカムブラインド「Easy Bee Bee」

六角形が無数に集まった「ハニカム構造」によって、効率よく六角形の中に空気の層を作ることができるハニカムブラインド。
確かに断熱保温効果はありますが、やはり隙間が空いてしまうのは、どうしようもありません。その隙間から冷暖房の空気が逃げ、外の冷気も入ってきてしまうんです…

冷暖房効率をよくするためのカーテンの「選び方」

冷暖房効率をよくするにはカーテンが一番!というのはおわかりいただけましたか?
でも、さらに冷暖房効率をよくするには、カーテンの選び方や設置の仕方にポイントがあるんです。ここからは、そのポイントについて窓装飾プランナーに解説してもらいます。

遮熱・保温効果のあるカーテンを選ぶ

遮熱・保温効果のあるプライム(ベージュ)
窓装飾プランナー

カーテンとひとことで言っても、デザインや色だけじゃなく“機能性”にも大きな違いがあります。特に省エネを意識するなら、遮熱・保温効果のあるカーテンがおすすめです。

そういったカーテンは、高密度の繊維や特殊な繊維を使うことにより、夏は太陽熱の反射による強い日差しをしっかりブロック。冷房の効きが良くなり、電気代の節約にもつながります。また、冬は寒い外気を防いでお部屋の温度を保ち、暖房効率がぐんとアップ。一年中省エネにつながります。

しかも最近は、遮光・遮熱・保温といった機能がひとつにまとまった多機能カーテンも豊富。季節ごとに掛け替えなくても、1年中快適に使えるのはうれしいポイントです。

厚地カーテンだけでなく、レースカーテンでも遮熱・保温効果のあるカーテンがあるので、厚地カーテンとのW使いもおすすめです。

② 最適なサイズを選ぶ

せっかく遮熱・保温効果のあるカーテンを選んでも、適切なサイズでなければ、その効果を最大に発揮することはできません。
例えば、丈が短すぎると、床とのすき間から冷気や暖気がスルスルと出入りしてしまいますし、幅が足りなければ隙間から空気が漏れてしまいます。

窓装飾プランナー

ポイントは、窓全体をしっかり覆うサイズを選ぶこと。具体的なサイズの測り方は次を参考にしてください。

✅幅の測り方

カーテンレールに合わせて採寸し、さらに5〜10%程加算したサイズ。※フラットカーテン(ひだのないカーテン)の場合は加算なし。

カーテンレールの種類で測り方が違います!

一般的な機能レール

一般的な機能レールの場合、片方の固定ランナーの中心から、もう片方の固定ランナー中心まで測ります。

装飾レール

装飾レールの場合、片方のキャップの付け根から、もう片方のキャップの付け根まで測ります。

✅丈の測り方

腰窓の場合は窓枠より プラス15〜20cm、掃き出し窓の場合は、床に擦れないように床からマイナス1~2cmの丈に設定しましょう。

一般的な機能レール

ランナーの穴(カン下)からかけたい長さの裾になる部分まで。

装飾レール

リングランナーの穴(カン下)からかけたい長さの裾になる部分まで。

こうして窓全体をしっかり覆うことで、カーテンが“断熱の壁”のような役割を果たし、冷暖房効率がぐんと高まります。
ちょっとしたサイズの違いが、冷暖房効率や光熱費に大きく影響してくるので、購入するときは「デザイン」だけでなく「サイズ感」にもぜひ注目してみてくださいね。

オーダーカーテンなら最適なサイズに!
既成サイズだと、なかなか最適なサイズが見つからない…。そんなときには、オーダーカーテンがおすすめ。通常、既成サイズよりも価格がアップすることになりますが、冷暖房効率のことを考慮すると、最適なサイズをオーダーした方がお得なことが多いですよ。

冷暖房効率をよくするためのカーテンの「取り付け方」

① リターン縫製で窓をしっかり覆う

TOSOカーテンボックス「グラビエンス」と併用

カーテンを上の写真のように両サイドの長さを延長し、コの字型にかける「リターン縫製」にすることで、サイドからの冷気や暖気の漏れを防ぐことができます。カーテンボックスと併用すれば、上部とサイドの両方から漏れをシャットアウト!

② すき間なく、しっかり閉める

両開きのカーテンの場合、すき間から「冷気や暖気が出入りする」ことになってしまいます。
しっかりと閉めることが鉄則ですが、どうしてもすき間は空いてしまいますよね…。そんな時は、そこちらのピタットくん」が便利。
左右のカーテン生地に、それぞれピタットくんを差し込むだけ。マグネットで生地がくっつくから、すき間からの漏れも防ぐことができます。

冷暖房効率をよくする、おすすめのカーテン

ここからは、具体的に冷暖房効率をよくするおすすめのカーテンを紹介していきます。バリエーション豊かなアイテムをそろえていますので、おうちに合ったものを選んでくださいね。

① 遮熱効果が高い「ウルトラサンシェード」

ウルトラサンシェード(ベージュ)

UVカット100%の生地を使用し、裏側にはアルミコーティングも施されている「ウルトラサンシェード」。その名の通りサンシェードにも使われる生地で、遮光・遮熱・断熱効果を発揮します。
遮熱効果は「64.5%カット」と高く、夏場に使用すれば、木陰にいるような快適な空間に。また、冬は窓からの冷気をシャットアウトしてくれるので、夏も冬もエアコン効率良く、省エネを実現してくれるアイテムです。

ウルトラサンシェード(UltraSS)の遮熱効果の実験

② 一年中省エネ&快適なレースカーテン「エコカラリン」

エコカラリンは、TEIJIN「ecolier」を使用したレースカーテンです。
ecolierは、特殊な金属酸化物を練り込んだポリエステル特殊繊維。通常のポリエステル繊維よりも高密度で反射効率が良いため、この素材でつくられたエコカラリンは、紫外線をブロックし、遮熱効果を発揮。冬は隙間をブロックして、外気温に左右されない快適な空間にしてくれます。

さらにエコカラリンは、優れた難燃性があり、万が一のときにも有毒ガスが発生しにくい繊維でつくられています。
厚地カーテンと一緒に使用して、一年中快適に使えるレースカーテンです。

③ おしゃれと省エネを兼ねた「フォギーグリージュ」

フォギーグリージュ(モーヴピンク)

大人可愛いインテリアにもマッチする、スモーキーカラーのカーテンが、こちらの「フォギーグリージュ」。
シックなインテリアにも合わせやすいフロストグレー、大人の北欧インテリアにもおすすめのビスタブラウン、フェミニンなインテリアに大人要素を足したい時にぴったりなモーヴピンクなど、カラーバリエーションは5色。
保温性・保冷性にも優れ、夏は外からの熱気を、冬は冷気を防いでくれます。「おしゃれさも省エネもあきらめたくない」という方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

④ 真っ白なカーテン「ブロンシェール」

ホワイトインテリアや、清潔感が必要な空間に欠かせない“真っ白な”カーテン
こちらの「ブランシェール」は、究極シンプルな真っ白のカラーに、遮光機能も兼ね備えたレアなアイテムです。
さらに、日光の赤外線侵入によるお部屋の温度上昇を防いでくれるので、エアコン効率もアップするという優れもの。真っ白なので、下の写真のように、柄物のレースカーテンと組み合わせて使えば、センスアップしたインテリアに仕上がります。

【真っ白で遮光カーテンが実現できた製法とは?】
通常の遮光カーテンは、日光を遮るために黒糸を織り込んでいます。そのため表面が白い場合、黒糸が透けてしまい、若干グレーがかってしまいます。しかし、ブロンシェールは真っ白の糸を使用し、表面の組織の白糸の分量を多めに持ってくることで「遮光で白色」を実現しました。
※裏面は薄いグレーになっています。

薔薇プリントのレースカーテン(YH993・カルラ)をコーディネート

メリットいっぱいのカーテンで一年中エコな暮らしを

窓まわりのアイテムで光熱費を下げるには、カーテンが最もおすすめ!だということは伝わったでしょうか?
さらにカーテンには、こんなにたくさんのメリットがあるんです。

✅レースから厚手まで生地種類やカラー・デザインも豊富
✅開閉しやすく、両開きや片開きなども選べる
✅比較的手頃な値段
✅手軽に付け替えられて、模様替えも簡単

窓装飾プランナー

光熱費やインテリアで悩むのなら、ぜひカーテンを替えてみてください。きっと見た目以上に快適さが上がって、暮らしやすくおしゃれな空間を実現できますよ。