こんにちは! 友安製作所のライターJackyです。
皆さんは子どものオモチャや家具って、「その時だけ」って思っていませんか?
私もつい最近までそう思っていました。何しろ子どもはすぐに大きくなるし、大きくなれば使わないものって多いですから。
でもでも、その概念を覆したのが友安製作所から発売された『シロフォンチェア』。
このシロフォンチェアは、「木琴・子ども椅子・踏み台」という3WAYで使うことができ、世代を超えて使い続けることができるんです。
これなら「その時だけ」にはならないですよね。
この3WAYを実現するために、実は開発にもかなり苦労したんです。
その開発秘話や、この商品に込めた想いを、友安製作所・企画担当のSammyに聞いてみました。
目次
八尾市のプロジェクトから誕生したシロフォンチェア
そもそもシロフォンチェアは、何がきっかけで開発することになったのでしょう?
インテリアやDIY商品を扱う友安製作所で、「楽器」+「椅子」といった商品は初めての試み。
そのきっかけは、『YAOYA PROJECT(ヤオヤプロジェクト)』という長年日本のモノづくりの裏方として活躍してきた八尾市のモノづくり企業とクリエーターを結び付けるプロジェクトにあったそうです。
Sammy「シロフォンチェアは、そのYAOYA PROJECTで出会ったデザイナー・清水覚さんのアイデアと、友安製作所が持つモノづくり技術の結晶なんです。このプロジェクトでは複数のデザイナーさんから、友安製作所と一緒にこんな製品をつくりたい! というオファーをいただいたのですが、清水さんが提案する楽器とチェアが一体化した家具というアイデアに最も惹かれました。だって、今までにないアイデアでしょ?」。
確かに楽器と椅子を結びつけるなんて、今までにないアイデア!
くらしにワクワクや彩りをプラスする友安製作所の想いにもピッタリのアイデアです。
しかし、この開発には完成に至るまでかなりの苦労がありました。
世界トップクラスの木琴メーカーとコラボ
一番苦労したのは、木琴の部分。
この木琴、「子どものオモチャ」と侮るなかれ。8つの音階が本格的な音色を奏でるんです。
Sammy「実を言うと最初は、普通の木材を使って自分たちで木琴を作ってみたんです。でも、当たり前ですが全くちゃんとした音が出ない(苦笑)。そこで、木琴は木琴のプロに頼もうと考えました。海外の安価な木琴メーカーもあるんですが、やはり国産で品質の良いものにこだわりたくて、声を掛けたのが世界トップレベルの木琴メーカー『こおろぎ社』さんです」。
しかし、ここでも問題が…。
いくら木琴のプロと言えど、これだけ小さなサイズで、しかも椅子としても使われるとなると、つくり上げるのも難しくなります。
最初は、電話やメールで制作をお願いしていたのですが、初めての依頼ということもあり、なかなか話が進まなかったそうです。
Sammy「これは会って直接私たちの想いを伝えなければ!と福井県のこおろぎ社まで足を運び、社長さんにお会いしました。そこで、友安製作所のBoss(社長)が、くらしにワクワクや彩りをプラスするこのシロフォンチェアへの想いや会社のことを伝えたことで、こおろぎ社さんが私たちの想いに共感してくれ、快く木琴づくりを承諾してくれたんです」。
一番左「ド」の音板には、コラボレーションの証として、友安製作所とこおろぎ社、2つの名前が刻まれています。
シロフォンチェアのこの技術に注目
デザイナー清水さん、こおろぎ社さん、YAOYA PROJECTの皆さんといったたくさんの方にご協力いただいて完成したシロフォンチェア。
その中には、こんなこだわりの技術が詰まっています。
①軽さ・安全性・デザイン性を兼ね備えたフレーム
脚は音符モチーフにしたデザイン 友安製作所の職人が手作り
音符をモチーフにしたアイアンスタンドは、鉄を扱い続けてきた友安製作所の職人が一つ一つ丁寧に仕上げました。
Sammy「一見どの部分も同じに見えるアイアンスタンドですが、実はカーブの部分と脚は安定性を重視して鉄、その他の部分は軽さを重視してパイプでつくり上げています。丁寧に溶接しているので、見た目には全く分かりません! こうやって部分的に使う素材を変えることで、子どもでも持ち運ぶことができ、踏み台にしたときの安定性も保たれるんです。また、音符をモチーフにしたデザインは、デザイナー清水さんのこだわり。さりげないデザインも長く使える理由の一つです」。
②こおろぎ社さんがつくる“本物の音”
見た目は小さな木琴ですが、奏でる音は本物。
こおろぎ社さんは、世界中のプロ演奏者が認める一流メーカーであり、そのこおろぎ社さんが製造・調律してくれました。
その技術の中でも特に素晴らしいのが「音板」※マレット(ばち)で叩く木製の板。
音板から発する音の高さを調整する方法は、音板のサイズを整える方法と、音板の裏側を削る方法があるそうです。サイズは、見ての通り低い音になるほど音板が長く幅も広くなります。
Sammy「難しいのが、裏側の削り。ちょっとした違いで音色が変わるらしく、高い技術を持つこおろぎ社さんしか出せない本物の音色を実現してくれています」。
脳の発達期である幼少期に音楽を通じて自由にワクワク遊ぶことは、記憶や感情のコントロール、アイデアを出すなどの働きをする前頭葉の発達にもつながるといいます。
シロフォンチェアで本物の音色を聞くことで、お子さんの「育ち」にも役立つことを願っています。
③安全性も考えたこだわりの「座面」
木琴を収めている座面にもこだわりが詰まっています。
木製の座面は一流の木工職人が一つ一つ丁寧に作り上げ、できる限り無駄な継ぎ目がないように設計されています。カーブ面も滑らかで引っ掛かりがないので安心ですよ。
さらにフタは、手を離してもゆっくりと閉まっていく仕組みに。
小さいお子さんが手を挟んでしまう危険性も低く、安心して遊ぶことができます。
フタの動きについては、こちらの動画でもチェック!
世代を超えて使える「3WAY」
高い技術の集結によってつくられたシロフォンチェアは、「子ども椅子・木琴・踏み台」という1台3役をこなす遊べるインテリアアイテムです。
ただの楽器でも、ただの家具でもない、シロフォンチェアの「3WAY」を解説していきます。
●「子ども椅子」として
フタを閉じると座面になり、子どもがちょこんと腰を掛けるのにちょうどいいサイズ。
サイドのフレームは、横から見ると音符の形で、安定感もあるから安心です。
背もたれが無いのは、自然とお子さんが背筋を伸ばす秘密でもあります♪
●「踏み台」として
素材と品質にこだわった丈夫な造りだから、お子さんが大きくなっても踏み台として使うことができます。
もちろん、大人が踏み台として使っても大丈夫。リビングに置いて、家族みんなで使ってください。
まとめ:サステナブルなシロフォンチェア
物を買う際も、「サステナブル」を意識した買い物をする人が増えてきたと言われています。
例えば、「環境に配慮した素材で作られているか?」「長く使えるものか?」といったふうに。
シロフォンチェアは、世代を超えて長く使える、まさにサステナブルな製品です。
Sammy「皆さんのお子さんが使って、そのお子さんが大人になったら、次はその子どもへ…そんなふうに代々受け継いでもらえるアイテムだと思っています。しかも、普通のおもちゃでは子供時代しか使えませんが、シロフォンチェアなら幼少期から大人まで幅広く使えるため、ずっとそばにある、気付いたらずっと使ってた。そんな相棒になるはずです」
シロフォンチェアは、決して安価な商品ではありません。
それでもおすすめしたい理由は、友安製作所とこおろぎ社の高い技術の結晶であり、それゆえに長く愛してもらうことができるから。
大切なお子さんやお孫さんに、いつの時代でもそばに置けるシロフォンチェアをぜひ♪
この記事のライター/Jacky
友安製作所の取材ライター。インテリアコーディネーターやバイヤー、職人などのインタビューを通じて、DIYやインテリアの知識を蓄積中。初心者ながら自宅のDIYにもチャレンジ♪ 初心者ならではのわかりやすい記事を目指します。
●「木琴」として
ぱかっと座面を開けると、8つの音階が並ぶ木琴が登場。
世界トップレベルの木琴メーカー「こおろぎ社」が本格的な木琴の音色を実現しました。
専用のマレット(ばち)もフタの中に収納してあります♪