壁紙DIY初心者が抑えるべきポイント【プロに聞く!vol.2】

どこのおうちにも必ずあると言ってもいい「壁紙」。実はとても奥が深いって知ってましたか?“紙”っていうけど紙だけじゃなくて、「壁」っていうけど壁じゃないものにも使える。そんな壁紙の「実は○○」やメリット・デメリットなどを、壁紙のプロに聞いてきました。あなたがもし、「壁紙をどうにかしたい!」と思ったら、まずはこの記事を読んでみてください。

≪この人に聞きました≫

◆ Jack  
マンションや戸建てなど、様々なリフォームに携わってきた元大工さん。
友安製作所工務店でも、その知識と経験を活かして活躍するDIYのプロです。ちなみに自宅では、各部屋でテイストの異なるDIYを実践中。

◆壁紙は「紙」じゃない !?

Jack「日本の壁紙の約90%がビニール製。よくビニールクロスっていいますよね?専門用語ではクロスといいますが、一般的にはこの『壁紙』という言い方の方がなじみ深いと思います。でも実は、本当に紙でできているものは、海外製品がほとんどなんです」。

そして現在、壁紙には大きく分けて「ビニール」「紙」「フリース」の3種類があるそうです。Jackにそれぞれの特徴を教えてもらいました。

メリットデメリット
ビニール≪ローコスト≫安価で手に入り、日本製なのでサイズも半間の幅(91㎝)に近い92㎝が多く使いやすい。1m単位での切り売りもできることがほとんど。・端に「ミミ」の部分があるため、柄を合わせて重ね切りをする必要があり、DIYでは難易度が高くなります。
・比較的早くに剥がれやすく、定期的な張替えが必要。
フリース ≪初心者オススメ≫ ビニール製と違ってミミがないため、見たままの柄合わせでOK。海外製のため、デザインも華やかなものや個性的なものなど様々。サイズが50㎝×10mのものが多く、切り売りが少ない。価格も少し高め。
≪こだわりアート≫3種類の中で最も印刷が美しく出るため、写真やキャラクターの絵柄は紙製が多くなります。 紙という特性上、他のものより破れやすく、水や洗剤などがシミになる恐れも。水回りには不向き。
ビニール製はミミで重ね切りが必要

◆やっぱり壁紙の張替えはプロに頼るべき?

Jack「プロの自分が言うのもなんですが、必ずしもプロに頼らなくても大丈夫!例えばヨーロッパには、クロス職人がいないんです。すべてDIYで自分たちが貼ってしまうから。そのくらい壁紙のDIYは手軽にチャレンジできることなんです」

そうは言っても、初心者がチャレンジするのはなかなか勇気のいること。「プロに頼んだ場合」とDIYのメリット・デメリットも聞いてみました。

実際の壁紙DIYの方法はコチラ!

◆プロに頼む?それともDIY

Jack「僕らのようなプロに頼むか、DIYで楽しみながら行なうかは皆さん次第。どちらにも下記のようなメリット・デメリットがありますので、自分に合った方法を選んでください」。

メリットデメリット
プロに頼むクオリティの高い仕上がり。
・メンテナンスも対応してもらえる。
短期間で仕上がる。
 ※6畳間(壁、天井)で1日程度の工期。
・工賃や交通費などが発生するため、費用がかかってしまう。
 ※6畳間で約5万円(施工店によります)
DIY安価で仕上がる。
 ※6畳間で約15,000円
 (壁紙のみ約30mの場合の費用)  
・家族みんなで楽しめる。
失敗も味になる。
・時間がかかる。
・クオリティが下がる。
 ※特に重ね切りなどが必要なビニール製など。

◆初めて壁紙をDIYするときに抑えておきたいことは?

◎「壁紙は破れるモノ」と思え!

Jack「まず、覚えておいてほしいことは、“壁紙は一生モノではない”ということ。失敗したら剥がすこともできるし、他の家具や建設設備と比べても、数十万円するような高価なものでもありません。だから賃貸住宅でも、失敗を恐れず思いっきりチャレンジして下さい」。

では、「壁紙を変えてみたい!」と思ったら、何からスタートすればいいでしょうか?

◎狭いところで思いっきり試すべし!

Jack「まずは、トイレや洗面所など、狭い空間の一面だけの壁紙を変えてみること。いきなりリビング全面ともなるとちょっとハードルが高いですが、こういったあまり目立たない場所であれば、最悪失敗してしまっても『許容範囲内』で収まるはず。それにこういった場所なら、個性的な柄でも使いやすいですよね。家の中すべてのテイストを合わせる必要もありませんし、『リビングはナチュラルだけど、トイレはブルックリン調、寝室はエレガント』などスペースごとにテイスト変えてもいいわけです。自由な発想で気軽にチャレンジして下さい」。

初めての壁紙DIYでオススメの壁紙はありますか?

◎“柄物”初心者を救う!

Jack「最初の各壁紙の特長にあるように、フリース製は初心者でも貼りやすいですよね。さらに意外と思われるかもしれませんが“柄物”がオススメ!よくある白い壁紙だと粗が目立つし、逆に難しいんです。柄があればちょっとした失敗も目立たないし、フリース製であれば、継ぎ目の柄合わせも見たまま合わせるだけなので、不器用な人でも大丈夫」。

old bookshelf

※これがあれば簡単!「DIY楽のり+初めて道具」もオススメ

◆壁紙の壁以外の活用術を教えてください!

Jack「よくお客さんに聞かれるのが、『壁紙は家具にも貼れますか?』ということ。壁紙と言えども、家具に貼ることも可能です。ただツルツルした面には貼れないので、サンドペーパーで磨いて、のり面との相性を良くする必要があります。そして、テーブルなどであれば、最後にコーティングのためのニスを塗ることも忘れずに。扉などの建具に関しても貼ることはできるんですが、どうしても接触面が多くなり、すぐに剥がれてしまいますので、あまりオススメはできません」。

では、最後に壁紙DIYにチャレンジしたいと思っている方にメッセージを。

Jack恐れないこと!壁紙は破れてしまうものだと認識し、失敗を恐れず、チャレンジして下さい。そして、壁紙=白という一般的なイメージも捨て、皆さんの好きなデザインを楽しんでほしいですね」