「工場を誇ろう。」を合言葉に、企業の規模や地域の枠を超えて全国各地の工場ツアーを企画・開催する一般社団法人 Factory Pride Association。
12月2日(火)、友安製作所の本社・工場の見学と、隣接する「Factory Cafe CO-BA」を舞台に、ものづくりに携わる多様な参加者が集まるイベント「Factory Pride Meeting」が開かれました。
ものづくり企業が考える「工場に対する“誇り”」や「見せる工場の価値」、「ブランディングの重要性」などについて熱く話が繰り広げられた夜。友安製作所ライター・Pohもイベントに参加し、ものづくりや製造業のさまざまな情報を知ることができました。この記事では、Factory Pride Meetingのイベント内容や「誇れる工場」の本質、製造業ブランディングの重要性について、当日に行われた様子をレポートしていきます!

目次
開催概要
日時/12月2日(火)15:00~21:00
場所/友安製作所本社・工場、Factory Cafe CO-BA
司会/Konel 出村さん
登壇者/COPREC 小林さん、友安製作所 友安さん(Boss)
クロストーク パネリスト/藤田金属 藤田さん、ダイエー 白榮さん、近畿経済産業局 津田さん
当日のプログラム/
・オフィス&工場見学
・登壇者挨拶、イベント概要説明など
・友安製作所の活動紹介
・クロストーク
・参加者交流
充実した内容のプログラムが展開されました。
友安製作所 本社オフィス・工場見学レポート
会社の第一印象を決める、友安製作所らしさ全開のエントランス
受付後、参加者は2グループに分けて友安製作所のオフィス&工場見学へ。私は友安製作所 代表取締役のBossのチームに密着しました。
見学はオフィスのエントランスからスタート。
- 廃材でつくられたゴリラのオブジェ
- 「生きるをあそぶ。」と掲げられた会社のスローガン
- 防音に優れたミーティングルーム
など、空間の細部にまで「あそび心」と「機能性」が点在しているエントランスを見て、参加者から驚きの声があがりました。Bossは、リノベーションを行った際に込めた想いや工夫を紹介していました。
エントランスから1階の工場に向かう通路に関しては、「没入感のある、通路を通ることでその人の人生が彩るような空間にしたかった」と語ります。

古き機械も現役で活躍──工場設備の歴史
続いて2階の工場をご案内。
友安製作所には、創業以来長きにわたり鉄製カーテンフックづくりに役立ててきた古い機械が多く存在し、今も現役で活躍しています。この機械は日本の中でも随分少なくなったと言われており、希少価値のある機械であることから、参加者からは「この古い機械を70年以上使い続けているなんて…!」との声をいただきました。

“溶接体験”による手づくりのオリジナル時計
ものづくり体験では、鉄を溶接してつくられた鉄のフレームと時計キットを組み合わせ、オリジナル時計を製作。友安製作所が得意とする“溶接体験”を通して、スピードや距離間のコントロール、熱による歪みなど、溶接の技術の難しさを体感してもらいました。職人技の奥深さを肌で感じ、ものづくりの見方が変わる体験となったと思います。
手づくり時計は溶接したての鉄フレームを綺麗に整え、木でできた時計をバランス良く置いてネジで固定すれば完成です。


2025年リノベーションの新オフィス案内
ものづくり体験の後は、3階の本社オフィスへ。友安製作所の企画、Web、広報、クリエイティブ、工務店、総務、カスタマーサービス、まちづくりなど、多様な職種の社員が働くフロアです。2025年3月にリノベーションされたばかりのオフィスを魅力たっぷりに紹介しました。

工場の現場で働く参加者は、オフィスに置かれている卓球台の脚を見て「この8つの鉄をバランス良くクロスさせて溶接しているなんて!」と技術力の高さに感動する場面も。工場現場の視点だからこそ気づく細かな技に、驚きと称賛が集まりました。


出荷場&木工所まで!友安製作所の多様な働き方に感銘を受ける参加者
最後に再び1階に移動し、エントランスから反対側にあるエリアへ。ここでは木工製作、商品仕上げ、在庫管理がされています。先ほどまで鉄工職人や3階オフィスで働くスタッフと対面していたにも関わらず、今度は木工職人と物流を担当するスタッフの姿に驚く参加者も。友安製作所の幅広い製品づくりやスタッフの個性を活かした多様な働き方を知り、参加者は最後まで興味深そうに耳を傾けていました。


トークセッション:“誇れる工場”とは? 製作とクリエイティブのプロが考える工場の価値
Factory Prideの取り組みと工場の想い
友安製作所の本社・工場見学&ものづくり体験が終わると、会場をFactory Cafe CO-BAに移してトークセッションがスタート。
Factory Pride Meetingの主催者であるKonelの出村さんがイベントを進行し、一般社団法人 Factory Pride Associationの取り組み紹介や、COPRECの小林さんをはじめとする全国の工場から集った参加者が「製造業における、“誇れる工場”とは何か?」を考える時間が流れました。


小林さんは、自社工場の大幅なリノベーションを経てブランディングを強化し、製造業の概念を覆す行動によって会社の発展に繋げてきた人物。
「工場で働く人たちに光を当てたい」「製造業の魅力を外部に発信したい」との想いから、クリエイティブ制作でマーケティングやブランディングに携わってきた出村さんとタッグを組み、一般社団法人 Factory Pride Associationを設立しました。
工場に何らかの関わりがある人たちとの交流や、良い工場を考察して製造業をアップデートするために企画を考えるなど、製造業の価値を再発見・再編集したさまざまな取り組みが実施されています。
Bossが語る友安製作所について
友安製作所の歴史や事業を紹介する時間も設けられました。Bossは企業の発展や製作所としての立て直しエピソードを振り返り、ものづくりの未来についても考えを定義していました。参加者は熱心に聞き入っています。

ものづくりのプロたちが語らうクロストーク
友安製作所の活動紹介が終わった後はそのままクロストークに。Bossに引き続き藤田金属の藤田さん、ダイエーの白榮さん、近畿経済産業局の津田さんの4名が登壇しました。「①工場における“誇り”とは?」「②“見せる”工場の価値とは?」「③これからの発信とブランディングの重要性」と3つのトークテーマで話を展開しました。
①工場における“誇り”とは?
→見えるカッコ良さだけでなく、本質的なカッコ良さを工場で働く人たちは持っている
②“見せる”工場の価値とは?
→個々が輝くよりも、周囲に溶け込んで関わることこそが製造業の良さである
③これからの発信とブランディングの重要性
→経営者の覚悟によって製造業は大きな影響力を持つことができる
参加者のひとりでもある私が、特に印象に残った言葉です。他の参加者も、真剣な表情でトークに関心を寄せていました。
ものづくりの裏側や現場のリアルな声に触れ、知見がグッと広がる時間となりました。



参加者交流会で工場ブランディングの未来を語る
トーク後は、ドリンクとフードを囲んで交流会へ。工場見学の感想を語る人、企業が抱える課題を打ち明ける人など、最後までものづくりや製造業に対する熱い話で盛り上がりました。
今回、特に登壇者がよく口にしていたことは、「良いものは辛抱強く続け、変えるべきところは大胆に変える」という姿勢。そして「外部へ情報を発信し続ける重要性」でした。
Factory Pride Meetingは、まさに発信と対話を広げる場として大きな役割を担っていると感じます。

まとめ:ものづくりと製造業の未来を明るくするために
今回のFactory Pride Meetingは、工場で働く人たちの想いに触れ、ものづくりの価値を再確認できる貴重なイベントでした。友安製作所も、ものづくりの可能性を広げるため、引き続きFactory Pride Meetingとともに歩んでいきます。


















