10月13日から17日まで、インド・デリー郊外の India Expo Centre & Mart で開催された「IHGF Delhi Fair – Autumn 2025」に、デザイナー兼バイヤーのSammyが視察に行ってきました。
毎年足を運んでいるこの世界的な見本市について、バイヤー目線でリアルなレポートをお届けします。
目次
IHGF Delhi Fairとは?

今回で60回目を迎えるこの展示会は、ハンディクラフト・ライフスタイル製品を中心に、3,000社以上のインドメーカーや輸出企業が出展するアジア有数の国際見本市。年に2回、春と秋に開催され、ヨーロッパをメインに世界中のバイヤーが新しい商材を探しに訪れます。
ホームデコールから家具、ファッションアクセサリー、ギフト雑貨など16のカテゴリーで、2,000以上の新製品群と300以上のトレンドデザインが並び、100か国以上からバイヤーが集結。インドならではの素材・技術・デザインが、世界市場との接する一大舞台です。
まだ日本にないものを求めて

私たちが年に何度も世界の見本市に足を運ぶ理由は、“まだ日本にないもの”を発掘するため。
今回訪れたIHGF Delhi Fairでも、「これは!」と思うような掘り出し物を探しに行きました。また、出展企業の中には既存の取引先もあり、より良いものを仕入れるために、新商品を実際に目で見てチェックするのも大事なミッションです。
シンプルな展示+手仕事の魅力が伝わる実演展示

IHGF Delhi Fairは、ヨーロッパのミラノサローネやハイムテキスタイルのような見本市と違って、展示ブースの装飾はどちらかというとシンプル。あくまでも「見やすい展示」に重点を置いた構成が多く、凝った演出をしているブースは少なめ。それでも展示物のカラフルで華やかな様子や照明の演出に圧倒されるところもあります。
また、今回は世界のトレンドでもある「体験」を重視する展示も見かけました。下の写真は、ブース内で実際に職人がテキスタイルを織って見せる実演展示。インドの伝統的な手仕事の魅力も伝わりやすく、機械での大量生産からトレンドがシフトしていることも感じられました。

デザインも質もいいレザー系アイテム

こちらのブースは、すでに友安製作所と取引のあるメーカーさんのブース。レザー製品を多く製作されているメーカーで、デザインも質も良いことが特徴です。
友安製作所では、こういったメーカーのアイテムをそのまま販売するよりも、オリジナル製品を製作してもらうことが多く、「友安製作所にしかないアイテム」をお届けしています。


コースターやトレー、ティッシュケースなど、日本でも好まれそうなデザインも多く見つけました。今後、また友安製作所のオリジナル製品をつくっていきたいと思います。
手仕事間のあるファブリックデザイン

ファブリック系のメーカーさんも数多く出展されていました。こちらのブースは、友安製作所ではまだ取り扱っていないようなデザインが多く、新しい発見として注目しました。
写真のような、インドらしい手仕事感のある、植物柄・幾何学柄・ペイズリーなどのファブリックデザインがたくさん展示されていました。刺繍風の柄、民族調のモチーフ、暖色系のタッセルが特徴的で、まさに“ボーホー”の世界観。
今後、友安製作所でも扱っていきたいデザインの一つです。

日本でも人気の真鍮アイテム

日本でも人気の高い真鍮アイテムのメーカーさんも出展していました。
今までになかった、ハンマーで真鍮をたたいてつくる「槌目模様」のデザインや、植物をモチーフにした燭台など、新しいアイデアが多く取り入れられていました。

ヴィンテージ調のアイアンアイテム

ハンドワーク感のあるアイアンツールやハンガー類のブースも発見しました。
インダストリアルなインテリアにマッチするアイテムたちで、インドらしい手仕事の温かみが印象的。アンティーク調やヴィンテージ風に仕上げているのも魅力でした。
友安製作所で展開しているオリジナルブランド「by TOMOYASU S.S.」とは、また違った良さのあるアイテムたちです。

くすみカラーのドライフラワーが豊富に

今年のIHGF Delhi Fairでは、昨年ほとんど見かけなかったドライフラワーのアイテムが一気に存在感を高めていました。壁掛けのリースやスワッグ、テーブルに置くだけで絵になる小さなアレンジメントなど、さまざまなブースが自然素材を使った装飾を打ち出していました。
特徴的だったのは、色味がくすみベージュやセージグリーン、スモーキーブルーといった“落ち着いたニュアンスカラー”に寄っていたこと。 パンパスグラスや葉物などの草原を思わせるようなふわりとした質感や立体感のある花材が多く、ナチュラルやボーホー系インテリアとの相性も良さそうです。
ナチュラル素材の照明
照明関連の展示も盛り上がっていた様子でした。竹や藤などのナチュラル素材でつくられたシェードも多く、世界のトレンドでもあるサステナビリティに目を向けたアイテムが注目されていました。

照明は、残念ながら日本で販売するためのPSE取得まで見据えたメーカーは少数。デザインは興味深いものが多かったため、トレンドをキャッチする場としていろいろなブースを見て回りました。
インドのリアルなモノづくりを視察

今回のインド視察では、生地メーカーの工場にも足を運び、実際の製造現場を見ることができました。サンプルで見ていた新作生地を手に取って質感を確かめると、写真だけでは気づけない発見がいくつもあり、とても収穫の多い訪問に。
気になっていた“納期のタイトさ”についても、現場を見て納得。工場ではドイツ製の高精度な織機が稼働しており、一枚一枚を丁寧に仕上げている様子が印象的でした。工程を理解できたことで、生産背景への安心感がぐっと高まった視察でした。
インドの視察のまとめ

今年のIHGF Delhi Fairは、“自然素材”や“クラフト感”がキーワードとして強かった印象でした。
さらにヨーロッパの見本市と同じく、サステナブル、エコ素材を前面に出しているブースが増え、インドの手工芸と環境配慮の両立を訴えるメーカーも目に付きました。今回のインド視察で得た新たなアイデアやトレンドは、どんどん友安製作所のアイテムに活かしていきますので、今後の新商品にもご期待ください!

2026年1月には、またヨーロッパの見本市にも視察に行く予定です。そこでも、日本の皆さんに好まれるデザインや素材をキャッチし、新商品に活かしていきます。
























世界的な見本市ではありますが、訪れているバイヤーはヨーロッパが中心。私たちのようなアジア圏の人はほとんど見かけませんでした。友安製作所は、毎年秋に視察に行くのが恒例となっています。