町工場に響く音を音楽に。「INDUSTRIAL JP ASMR」に友安製作所の音をアーカイブ

知ってほしいねん

突然ですが皆さん、「ASMR」ってご存知ですか?
最近じわじわブームになり始めているようですが、ASMRというのは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略語で、直訳すると「自律感覚絶頂反応」となります。

と言ってもあまりピンときませんよね。
簡単に言うと、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地よい、脳がゾワっとするといった反応や感覚のことだそうです。
パチパチとした焚き火の音とか、サクサクしたものを食べるときの咀嚼音、パラパラと傘にあたる雨音、パソコンのキーボードを高速で打つタイピング音などなど、ゾクっと快感を覚えるようなものが例に挙げられます。
この音がやみつきになるという人が増えているんです。

で、そのASMRが友安製作所とどういう関係があるのかというと、実は先日、友安製作所の工場の音が、INDUSTRIAL JPさんによってASMRとしてレコーディングされ、コレクションに加えられたんです。

工場の音をレコーディングなんて想像できないと思いますが、今回は、このちょっとユニークな取り組みについてご紹介したいと思います。

NDUSTRIAL JPとは

INDUSTRIAL JPというのは、町工場をレーベル化しようという日本初のプロジェクト
日本各地の町工場で稼働している工作機の映像や音を収録し、様々な有名ミュージシャンの手で再編集、楽曲化し、ミュージックビデオに仕上げて配信されています。

日本の産業が縮小する中で、町工場の高い技術力を絶やさぬよう、国内の製造業を盛り上げたい、そんな思いも活動の動機となっているそうです。そのために、INDUSTRIAL JPさんならではの斬新な視点で、町工場の魅力を表現し発信されています。
町工場の音や工作機が動く様子が、とってもかっこいい音楽と映像になっていて、視聴していて鳥肌が立ちます。

INDUSTRIAL JPと町工場がASMRでコラボ

INDUSTRIAL JPさんのプロジェクトの一環で、日本の様々な町工場のASMRとなる「音」を収録し、アーティストが使える素材として、サンプルパックを提供するという「INDUSTRIAL JP ASMR」を始められました。
そこで、ものづくりの街である八尾の町工場の音をたくさん収録。その中に、友安製作所の工場の音も収録いただきました!

★カーテンフックを作る機械が音源に

収録に使われたのはこの機械。普段はカーテンフックをはじめとした線材加工品を作っています。
先代、先々代社長の手作りで、もう何十年も使っているんです。見た目にもかなり年季が入っているのが分かりますね。

ご家庭用のカーテンフックは、今となっては樹脂製のものが大半を占めていますが、この機械で作っているのは金属製のカーテンフック。
学校や病院、工場など、安全性や強度が特に求められる場所で使われています。そして金属製のカーテンフックは、友安製作所が国内シェアの9割を閉めているんです。

これはほんの一部ですが、カーテンフックにもいろんな形があり、1本の針金をこの機械で曲げて形作っています。
こうして並んでいると、ちょっと標本みたいですね。

★こだわりのレコーディング

昨年、この機械の音を録るために、数種類の高性能マイクロホンとともに東京から八尾の工場にいらっしゃったINDUSTRIAL JPの方々。
日常的に工場の音に触れている私たちには、特に気にしたこともないほどの特別感のない音ですが、その音に真剣に耳を傾けながら、繊細な音を拾われていました。
一定のように聞こえる音の中にも、音のプロの方からすると、「今の音良いね〜!」という瞬間が何度もあったようです。何が何だか分からないながらも、褒められると少し誇らしい気持ちになりますね。

★音に合わせたビジュアルとともにインターネットで公開

レコーディングされた音は、先日「INDUSTRIAL JP ASMR」のWebサイトとYouTubeで公開されました。
音に合わせて動くビジュアルがそれぞれ作られていて、これがまたかっこいいんです。

友安製作所の他にも、以前このトモヤスタイムズで取材させていただいた藤田金属さんや、木村石鹸工業さん、錦城護謨さんといった、八尾の魅力あるものづくり企業の工場の音がたくさん収録されています。それぞれ全く印象の異なる音でとってもおもしろいです。

そしてこれらの音は、誰でも無料でダウンロードでき、音楽作りの素材として使えるよう、現在準備中とのこと。
これらが素材として使われれば、八尾の町工場どうしの音のコラボレーションが実現するということですね。どんなふうに使われるのか、楽しみです!

おわりに

工場の音をレコーディングして、音楽の素材にするなんて、一番身近にいる私たちには全く発想のなかったことですが、今回のINDUSTRIAL JPさんの活動を通して、新たな機械の魅力、音の魅力に気付かされました。知らない間に、ものだけでなく、音も生み出していたというわけです。

こうしたプロジェクトを通して、ものづくりに興味を持っていただける方が少しでも増えればいいなと思います。

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