「FactorISM(ファクトリズム) 2022」 ものづくり現場を公開!子どもも楽しめるオープンファクトリー

2022年10月27日~30日までの4日間、大阪のものづくり企業が参加するオープンファクトリーイベント『FactorISM(ファクトリズム) ~アトツギたちの文化祭~』が開催されました。
友安製作所も参加したこのイベントには、八尾市・堺市・門真市など総勢60社の企業と地域が連携し、全国から注目されるイベントです。
今回はそのイベントの参加企業として、当日の様子やFactorISMの魅力、参加した私たちの想いもお届けします!

FactorISM(ファクトリズム)とは?

大阪府八尾市からスタートした『FactorISM(ファクトリズム) アトツギたちの文化祭』は、「こうばはまちのエンターテイメント」を合言葉に、ものづくりの現場を一般公開し、世界に誇る日本のものづくりを五感で味わってもらうイベントです。
合言葉の通り、訪れた人も作り手自身も、文化祭のように楽しめるエンターテイメントを目指しています。

2020年に第一回を開催し、2021年には新型コロナウィルスの影響がありながらも、リアルで6700人、オンラインを合わせると2万人の来場者を獲得! 国内でも注目度の高いイベントに成長しました。
そして、2022年は「触発」のテーマのもと、これまでで最大の60社が参加
友安製作所は、自社のオープンファクトリーやワークショップを開催するだけでなく、イベント全体のクリエイティブ監修も務めました。

友安製作所のFactorISM

2020年の初回からFactorISMに参加してきた友安製作所。
今回、オープンファクトリーとワークショップを開催するにあたって考えたのが、「友安製作所ならではのものづくりを体感してほしい」ということ。

カーテンフックのものづくりからスタートした友安製作所は、現在、溶接などを駆使したアイアン家具や建具など鉄加工のものづくり、さらに今年新しく加わった木工所といった新しいモノづくりが次々と生まれています。

それらの新しいものづくりと、友安製作所の提案するインテリアを融合し、「このイベントを通じてお客様のくらしを少しでも変えていく」ことをテーマにオープンファクトリーとワークショップを実施しました。

〇友安製作所のものづくりを魅せるオープンファクトリー

友安製作所のことをもっともっと知ってもらうために重要なオープンファクトリー
今回はBoss(当社の社長)やスタッフたちが、実際のものづくりの現場とオフィスを案内していきました。
友安製作所のインテリア商品を至る所に使用したオフィスや、普段は見られない木工所の中、カーテンレールのカット現場、鉄加工の現場など、友安製作所のものづくりへの想いと共に解説しました。また、ものづくりの現場では、各担当の職人たちから直接説明する場面も作ったことで、参加者の皆さんにリアルな職人の声も届けることができました。

「この機会に、少しでも銘木について興味を持ってくれたら嬉しいです」
と言うのは、木工所で解説を行ったBig。FactorISM初参加となる友安製作所の木工職人です。
こんなふうに、その道のプロフェッショナルである職人から、専門的な解説を聞くことができるのもオープンファクトリーの魅力です。

〇友安製作所のものづくりを体感するワークショップ

毎回好評をいただいている友安製作所のワークショップ
今回は、「友安製作所の新しいモノづくり」を体感してもらうことがコンセプトです。さらに、ワークショップの作品が、参加者のおうちのインテリアとして活用してもらえるように工夫を凝らしました。

あーでもない、こーでもないと、試作を繰り返して決定したワークショップが、「溶接&塗装でミニA型看板づくり」

A型看板の上部を参加者自身が“溶接”し、好きな色の黒板塗料で塗った木材の看板を引っ掛けるというもの。溶接した部材は、職人が丁寧にクリア塗装し、溶接の跡もあえて見えるようにしました。
「溶接」「自分でカラーを選べる黒板塗料」「塗装」「木材」といったふうに、友安製作所の新しいものづくりやDIY商品を体感できるワークショップになっています。

〇新しい試みの「溶接体験」

当然ながら、「溶接は初めて!」という参加者さんばかり。
実を言うと計画の段階では、「初めての方に溶接をしてもらうのは難しいのでは?」と心配していたんです。しかし、FactorISMの他の参加企業さんに聞いてみると、「職人がついていれば案外簡単にできるし、楽しんでもらえるよ」とのアドバイスをもらい、チャレンジすることにしました!

友安製作所で行った溶接は、半自動溶接という種類。
写真ではスパッタ(火花)が出て難しそうですが、片手で行うことができ、職人がサポートすれば小さなお子さんから大人まで意外と簡単にできるんです。

参加者さんからも、「貴重な溶接体験ができて良かった!」「自分で作った不格好な溶接面が愛おしく感じられました♪」といった嬉しい感想もいただきました。

溶接を担当した職人のコメント

溶接を担当した職人は、Punch、Hana、Peterの3人。それぞれ参加者の皆さんと直接交流することで、FactorISMならではの収穫があったようです。

Punch「去年も来てくれた小さな男の子が今年も来てくれて、“師匠!”と呼んでくれたことが嬉しかったですね!」
Hana「最初は、難しいッ!と言っていた方が、コツをつかんで上手くなっていく様子を見ると、私自身もすごく嬉しかったです♪」
Peter「自分がいつも取り組んでいるものづくりに対して、“スゴイ!ありがとう!!”と直接聞けたことが良かったですね。私自身も貴重な体験でした!」。

FactorISMならではの「発見」

28日・29日の2日間で計8回開催したオープンファクトリー・ワークショップには、50名以上の参加者が集まっていただきました。

家族連れの参加も多く、昨年からのリピーターという親子も。小学校低学年の女の子が溶接にチャレンジしてくれたり、皆さんが積極的に質問してくれたりと、子どもから大人まで楽しんでくれていることが伝わってくる2日間となりました。

そして、私たちにとって、“意外な発見”もたくさんありました。
例えば、創業時から使っているレトロでゴツゴツした機械も、初めて見る参加者さんからすると「珍しい!」「渋くてカッコイイ!」という魅力につながるということ。

さらにワークショップでは、職人たちが普段当たり前にやっていることを、純粋に「スゴイ!」と喜んでもらえたことで、職人みんなが、「改めて自分たちのものづくりのことを考え、プライドを感じることができました」。

こういった発見や気付きは、直接一般の皆さんとコミュニケーションを取ることができるFactorISMの魅力の一つ。
参加してくれた皆さんのおかげで、自分たちだけでは気付けない様々なことを発見することができました。ありがとうございました!

イベントだけじゃないFactorISMの魅力

イベントの当日だけがFactorISMではありません。
約1年を通して参加企業たちがつながり、さらに地域・大学・大企業・メディアといったつながりが生まれ、一つのコミュニティとなるのがFactorISMなんです。
具体的に、友安製作所が参加した取り組みについて簡単にご紹介していきます。

〇参加企業同士の「触発」も魅力

イベントの当日だけがFactorISMではありません。
その年の2月から参加企業を募り、5月から毎月定例会を行ってきました。その定例会では、グループに分かれたアイデアミーティングなどで、それぞれの企業が情報を持ち寄り、各企業の企画をブラッシュアップしていきます。

特に初参加の企業さんはわからないことも多く、不安が付き物。他社のアイデアやアドバイス、体験談などを聞くことで、その会社らしいイベントの企画が徐々に練り上がっていきました。

こういった定例会に参加したのは、各社の社長だけでなく、ものづくりの現場で働く職人や若手社員たち。企業の壁を越えた交流にもつながり、「同年代同士、職人同士が情報交換する」光景も見ることができました。

〇本番さながらのプレイベント

7月には、FactorISM本番に先駆けたプレイベントが行われました。
参加企業が本番さながらにオープンファクトリーやワークショップを行い、お互いに気になる企業のイベントに参加するというもの。いわば運動会の総練習のようなもので、参加者から率直な意見も得られ、「意外と時間がかかりすぎる」「もう少し詳しい説明の方がわかりやすいのでは?」など、当日に向けた課題点も浮き彫りにすることができます。

友安製作所でも職人たちが気になる企業のワークショップに参加し、ワークショップの進行のヒントを得てことはもちろん、同じ職人として、他社の技術を目の当たりにすることを喜んでいました。

FactorISMを終えて

友安製作所ではオープンオフィスとワークショップを行いましたが、他社ではワークショップの中にクイズを盛り込んだり、複数のワークショップから選べるようになっていたりと、多種多様な企画で参加者と一緒になって楽しんでいました。

私たちも今回のFactorISMを通じて、友安製作所の新旧のものづくりを伝え、体感してもらうことができたと感じています。また、一般の参加者さんとコミュニケーションを取った職人たちは、自分たちのものづくりに対し、「初心に戻って純粋な気持ちになった」と言います。

来年は、さらに友安製作所を楽しんでもらえるよう、また1年かけて計画していきますので、今年参加していただいた方も、まだ参加したことがないという方も、ぜひ1年後、友安製作所のFactorISMでお会いしましょう♪