「ものづくりのまち」八尾と共に世界を目指す!友安製作所のまちづくり事業とは?

はじめまして!友安製作所でインターン中のステファニーです。
普段は経済産業省で貿易に関する国際ルールに携わっていますが、今回は2年目職員研修の一環として友安製作所で3週間インターンとして、広報やまちづくり事業などを経験させていただいています。

インターン開始前、友安製作所では、商品企画、輸入やオンライン販売の裏側を見させていただくのかな、と想像していました。しかし、そんな想像からは一転。ふたを開けてみると「まちづくり事業」に多く関わらせていただくこととなったのです。
友安製作所って輸入インテリア・DIY用品や自社製造家具を販売している会社なんじゃないの?
カフェ、工務店、レンタルスペース事業など色々と幅広く手掛けているのは知っていたけど、まちづくり事業って何をするの?

今回は、このような質問が浮かんでいる皆さんをはじめ、多くの方々に友安製作所が行っている「まちづくり事業」とは何なのか?
なぜ友安製作所はまちづくり事業を行うのか?についてお伝えすべく、記事を執筆することになりました!

①そもそも友安製作所がある大阪府八尾市ってどんなところ?

まず、友安製作所が本社・工場を置く八尾市について少しご紹介します!
関東出身のわたしは今回のインターンをきっかけに初めて知ったのですが、八尾市は大阪市の南東に隣接する人口20万人を超える街。奈良に向かって少しのどかになっていく雰囲気があるエリアです。

八尾市は、製造業を主とする中小企業が多く集まり、高度な技術力と製品開発力を誇る「ものづくりのまち」。全国トップシェアの出荷額で伝統ある歯ブラシ生産をはじめ、金属製品、電子機器、ゴム、ガラスなど多様な業種の匠の技が集結しています。
関西出身の方ならだれもが一度は使ったことがあるであろう、黄色と赤のレトロでかわいいポット型容器に入ったでんぷん糊で有名なフエキ糊さんも八尾の会社。実は、ベビー・子供服で有名なミキハウスさんや旭ポンズで有名な旭食品さんなども八尾の企業です。他にも、車の部品など、製品の一部を成すパーツを専門に作っている企業も多く、今皆さんがお使いのものの中にも八尾で作られた部品が入っているかもしれないのです!

他にも、八尾市が勢いのあるものづくり企業のサポートを徹底して行っており、企業が行政と二人三脚で次々と新たな挑戦をしているというのも八尾の大きな魅力の1つではないかと思います。起業を考えていた人が八尾市の支援体制の厚さから、起業先を八尾に決めたという事例もあるようです。

②友安製作所の「まちづくり事業」ではどんなことをしているの?

友安製作所では、このような高い技術力と勢いのある製造業が集まる八尾市を「ものづくりのまち」として更に盛り上げるため、各種イベントを開催するなど、八尾の企業や人を応援しサポートする取り組みを行っており、それを「まちづくり事業」と呼んでいます。
世界にも八尾の名を発信することを目指しており、友安製作所のインテリアのインターネット販売やカフェ運営など多様な事業から培ったノウハウを活かして、八尾のブランディングに取り組んでいます。
では、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか?

〇みせるばやお

皆さんは近鉄八尾駅前のLINOAS(リノアス)というショッピングセンターの8階に「みせるばやお」という場所があるのをご存じですか?

「みせるばやお」は、ものづくりの楽しさを子どもたちに伝えることや、地域の企業同士の交流を促進することを目的に作られました。実はここは、友安製作所を含む八尾の中小企業35社が集まって八尾市とも協力して作り上げた、八尾の企業やものづくりを「魅せる場」なのです。

ものづくり体験ワークショップやハロウィンなど季節のイベントを開催したり、企業合同社員研修やセミナーを開いたり。企業の垣根を越えて社員同士が気軽に井戸端会議のように話せる場。また、地元の子どもたちや住民の方々も自由に出入りして楽しめる全ての人にとっての憩いの場でもあります。

インターン中、ある企業が新しい挑戦をするにあたり、「みせるばやお」でノウハウを持つ他企業に相談し、アドバイスを得る現場を実際に目にしました。地域の様々な企業が、各社での取り組みや悩みについて普段から本音で話し合える場があることでイノベーションにつながるとても貴重な場となっていると感じました。実際に「みせるばやお」発の企業間コラボによる人気商品も多く、地域内の中小企業同士で受注し合うケースも増えているようです。

〇FactorISM~アトツギたちの文化祭~

皆さんはものづくりの現場、「まちこうば」に足を踏み入れたことはありますか?
「FactorISM」は、八尾市から始まり、今では製造業が盛んな大阪の複数の市が合同で開催するイベントで、企業の工場を一般のお客さんに公開し、五感で体験してもらうというものです。
友安製作所は、「FactorISM」に参加して工場とオフィスを公開し、ワークショップを行うだけでなく、このイベントの企画・運営に携わり、クリエイティブ監修も務めています。

これまでまちこうばは、安全性や騒音の問題などに配慮した結果、閉ざされたものとなり、ものづくりの現場や職人という存在は、人々の普段の生活から遠のいていました。

「FactorISM」の合言葉は「こうばはまちのエンターテイメント」
子どもから大人まで幅広いお客さんにものづくりの魅力を再発見してもらうことが狙いです。企業側にとっても、一般のお客さんと直接触れ合うことで、自社の価値に改めて気づかされるなどの発見も多いようです。また、これまで製造のみに従事してきた企業が、FactorISMに参加することで、商品をお客さんに直接売る方法や商品の魅力を発信する方法を学ぶことができ、企業の成長に繋がる効果もあります。

そして何よりも「FactorISM」に携わる企業の方々のきらきらとした目や、まさに文化祭のような熱気を肌で感じられることが、このイベントの醍醐味だと思います。

〇友安製作所フェスタ

八尾に住む皆さんであれば「友安製作所フェスタ」に参加したことがある、参加したことはないけれど友安製作所フェスタが何なのか気になっていた、という方々も多いのではないでしょうか?

友安製作所フェスタは、日常生活の中であたりまえのように使うものにスポットライトを当て、作り手である企業と使い手が直接交流するイベントです。毎年1回、秋ごろに開催しており、今年も11月19・20日に友安製作所Cafe&Bar阿倍野前で開催しました。

友安製作所と、くらしにまつわるものづくり企業が集結し、ワークショップや実演、ライブペイント、そしてもちろん商品販売もというような多種多様ぶり。重視しているのは、出展者と来場者との間の相互コミュニケーション。作り手が直に商品を販売しながら、商品のこだわりや使い方のコツ、アイディアなどを伝えることで日常生活のワンシーンで心地よさや楽しさを感じていただきたいという考えでこのイベントは開催されています。

〇企業家・起業家育成支援

友安製作所は、八尾で起業したいと考えている人や既に八尾で事業を行っている企業をサポートする取り組みもしているんです。

「八尾あきんど起業塾」という八尾市から委託された支援事業では、複数の経営者の方々を講師としてお招きした講演会開催や、八尾での起業を目指す受講生ひとりひとりのビジネスプランの壁打ちまで行います。また、既に起業が決まっていたり、事業を既に始めている方に対しては、Boss(友安製作所の社長、通称Boss)が1対1で相談に乗りアドバイスをするサポートプログラムも行っています。

起業を目指す方々向けのワークショップはみっちり4時間に渡るなど、とことん本気なプログラム。受講生の事業アイディアがワークショップの回を追うごとに明確になっていくのが感じられたのが印象的でした。また、ひとりひとりのニーズにここまで真摯に向き合い、ここまで手厚くサポートするのかと驚かされました。

③友安製作所は、なぜ「まちづくり事業」を行うの?

「まちづくり」と聞くと、行政や市民団体が行うことというようなイメージが強いですよね。しかも、「まちづくり事業」は、友安製作所の利益には直結しないものです。それなのに、なぜ友安製作所は「まちづくり事業」に携わるのでしょうか?

それは、八尾の企業や八尾に暮らす人々がいきいきとして元気でいられることが、街自体の発展や地域経済の活性化に不可欠であり、これが結果的に友安製作所の企業活動にも良い効果をもたらすからだと感じました。もちろん、八尾への地元愛や、八尾の人々と一緒に楽しいことや面白いことをしたいという気持ちが根底にあるというのは大前提です。

地域の企業間の信頼関係を構築し、ざっくばらんに交流できる場を作ることで、企業間のコラボや受注などの新規案件が生まれやすくなります。また、社内で相談できる相手が少なく孤独になりがちな社長同士の交流や、企業の垣根を超えた社員同士の交流が促進されることで励まし合ったり、知恵を出し合ったりとポジティブな効果は他にもあるでしょう。

八尾の企業で集まって何かイベントを開いたり、声を上げたりすることで、1社では得られないような大きな宣伝効果や集客効果も得られます。また、八尾の個性豊かな企業がそれぞれに面白い取り組みを行い注目を集めることで、デザイナーやクリエイター、バイヤーが八尾を訪れる機会が増えます。八尾のどこか1つの企業を見に来た際に、「ついでに」八尾の他の企業も訪れるなどの波及効果もあります。

④今後のまちづくり事業の展望について

友安製作所のまちづくり事業は今後どのようにさらなる発展を遂げていくのでしょうか?

八尾のものづくり企業がその価値を最大限発揮するためにはデザイナーやクリエイターといった方々のチカラも集結する必要があります。そのためにも八尾にデザインやクリエイティブ関連の方々をはじめ、ものづくりに関係する全ての人が集まれるようにする仕掛けを考えているようです。

聖徳太子のゆかりの地と言われ、町屋など伝統的な建物が多く残る寺内町という趣のあるエリアが久宝寺にあります。そんな寺内町で、八尾のものづくりをますます盛り上げるための場づくりをするために動き始めているのだとか。
これからも友安製作所と八尾の勢いは止められなさそうですね!ますます目が離せません。

⑤おわりに

今回は、八尾を「ものづくりのまち」として盛り上げるために、友安製作所が本気で取り組む「まちづくり事業」について、インターンとしての視点から感じたことも交えながら紹介させていただきました。

八尾の発展のため、八尾の人や企業がいきいきと活躍できるように、色々な企画を実行し労力を惜しまない友安製作所。

その一方で、友安製作所では、地域貢献のためだからと言って、赤字でも仕方がないという考え方は許されません。結果が出るまでに時間を要するからこそ、まちづくり事業が独立して採算が取れ、持続可能な形で取り組みを長く続けることが重要であるとの信念が貫かれています。