The Craftsman こだわりの逸品 no.2 「アイアンレッグ」

友安製作所の「 Craftsman= つくり手」と、その想いを乗せた製品をピックアップしたシリーズコンテンツ。今回は、あの有名アニメの主人公と同じ名前を持つベテラン Craftsman です。

「つくった製品は、ものを言いますから。強くつくれば、強いと返ってくる。手を抜いたら、抜いた結果が返ってきます」そう語るのは、二次元の設計図から、魔法のように三次元の製品をつくり上げる友安製作所のCraftsman・Popeye(ポパイ)。 

様々な製品を手掛けるPopeyeですが、今回ご紹介するこだわりの逸品は、一般住宅だけでなく、カフェなどの店舗やプロも愛用する『アイアンレッグ』です。アイアンレッグは、鉄でできたクランプタイプの脚。天板を挟み、ねじって留めるだけで本格的なテーブルが完成するという友安製作所のオリジナル製品です。

★【テーブル用アイアンの脚 Iron Leg】

「最初は試行錯誤でしたね。挟み込みということで強度にこだわり、つくってはテスト、つくってはテストという作業を何度も繰り返しました」。

強度にこだわった結果、溶接箇所に溝を設けることで鉄が流れ込み、より強く接着できるようになったそうです。

さらに2020年からは、板の厚みを4.5mmから6mmにサイズアップ。「支える力を以前より増すことができました」。

Popeyeはこのアイアンレッグを、一つ一つ手作業で1から10までつくり上げていきます。そこに込めた想いは、『ただただ、お客さんをがっかりさせたくない』。ネット販売という性質上、お客様は手元に商品が届くまで、それが良い買い物だったのか、失敗だったかわかりません。

「お客様に『写真以上にキレイで丈夫!買って良かった』そんな気持ちになってほしいんです。お客様と顔を合わすことはありませんが、製品でつながったこのご縁を大切にしたい」。

喜んでもらえるモノづくりを

ベースの部材を削り、穴をあけ、カットし、すべての部材がそろったら、いよいよアイアンレッグの要、「溶接作業」に入ります。

溶接作業は、仮止めの溶接と「本溶接」の2回。バチバチと火花を散らしながら、1点数秒の溶接で部材同士が結合していきます。今後は溶接の治具も開発し、質も効率もさらに上げていきたいそうです。

溶接後は、こちらも火花の散るグラインダーで凹凸をキレイに削っていきます。サンダーで磨けば、溶接の後はすっかりキレイに。

付着した埃を飛ばし、最後に塗装をすれば完成です。すべての工程を手際よく、だけど丁寧に進めていきます。

進化し続ける「攻め」のモノづくり

モノづくりの道を歩んで40年以上のPopeyeですが、まだまだチャレンジしたいことがあると言います。Popeye曰く、「モノづくりにも、“守り”と“攻め”があります。私はその攻めを、もっとやっていきたい」。

モノづくりの守りとは、同じものをきちんと正確に、同じようにつくるということ。反対に攻めは、同じ規格を守りつつ、さらに美しく、さらに強くつくり上げることだと言います。

「もっともっと上手くなりたいんです。もっと腕を磨いて、もっとイイものを生み出していきたい」。Popeyeのモノづくりに対する“欲”は、これからも尽きることはありません。そんなモノづくりに対する熱がこもったアイアンレッグで、使う人の日常に少しでも喜びが生まれますように。

【Craftsman Popeyeのプロフィール】

長崎出身の65歳。大手自動車メーカー関係のモノづくりから、機械工に道を変え、溶接の技術も身に付けました。多くの産業機械を手掛け、40歳を過ぎてから電気工事士1級の資格も取得。10年前に友安製作所に入社してからは、「 なんでもつくれるPopeye」として、アニメのポパイさながらに頼られる存在です。