「ハイムテキスタイル2025」レポート

2025年1月14~17日にドイツ・フランクフルトで開催された世界最大のホームテキスタイル・コントラクトテキスタイルの見本市Heimtextil(ハイムテキスタイル)2025」。

約50,000人が来場した今回のハイムテキスタイルに、今年はバイヤー・Sammyが現地に足を運び、世界のトレンドをいち早くキャッチしてきました。

ヨーロッパの展示会事情とハイムテキスタイル2025

友安製作所は、毎年ヨーロッパを中心とした世界各国の展示会に足を運んでいますが、今年は予定していた展示会が急遽中止になるというアクシデントも!

Sammy「ケルン国際家具インテリア見本市(imm)にも視察に行く予定でしたが、ドイツの経済事情の悪化により、複数の大手メーカーが出展を取りやめ、他の企業も追随して出店を取りやめました。その影響で今回の開催は中止に。こちらも世界的な見本市で、インテリア業界では常に注目されているイベントだっただけに驚きです」。

さらに、ハノーバーで開催される予定だった国際的なフロアカバリングの見本市DOMOTEXも休止に。
ドイツはインフレの影響でインテリア業界も厳しい状況のようですが、これら中止となった展示会の出展者の一部が、「ハイムテキスタイル2025」に流れたようです。

結果的にハイムテキスタイル2025は、65ヶ国・地域から3,000社以上が出展し、昨年(60ヶ国から2,838社の出展)よりも規模が拡大したようです。

ハイムテキスタイルは、ヨーロッパだけでなく世界各国のバイヤーたちが集まる国際見本市
友安製作所のメンバーも毎年足を運んでいる人気の見本市で、カーテン、ファブリック、カーペット、寝具など多種多様なテキスタイル製品が展示され、業界の最新トレンドや製品が一堂に会する場として知られています。

2024年のハイムの様子はコチラ!

ハイムテキスタイル2025年のトレンドブース

私たちが一番気になるのは、「トレンドブース」。
今年のトレンドブースは、ミラノで毎年開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」のデザインチームAlcova Milanoが手掛けたそうです。

Sammy「写真のように出展企業各社がオススメする生地が宙を巡っていくという趣向は、インパクト大でしたね。今年のトレンドカラーの生地が集まっていましたが、引き続き彩度の低い淡いカラーがトレンドのようです」。

今年のトレンドテーマは「FUTURE CONTINUOUS(未来進行形)」。
「未来は続く」というコンセプトのもと、テキスタイル業界のトレンドセッターたち6組のインタビューをもとにしてトレンドを構築するという新しいスタイルに変化していました。

ちなみに、前回2024年のトレンドテーマは「new sensitivity(新しい感性)」。
サステナブルな生産と行動などに焦点を当てていました。
ここからさらに、思想的に深くサステナブルを追求していくという意味もあるようです。
トレンドカラーは、下の写真のように、淡い色合いで自然やオーガニックをイメージするようなものが多いようです。

バイヤーから見たトレンドは?

トレンドカラーの一覧

Sammy「今回ヨーロッパの展示会を回って印象に残っていることの一つが、入場者IDホルダーが紙製だったこと。以前まではプラスチック製でしたが、おそらく再生紙などでつくられているのではないでしょうか。こういったところでも、サステナブルがトレンドではなく当たり前のこととして取り入れられている印象を受けました」。

上の写真は、ハイムテキスタイルで配布されていたパンフレット。
掲載されているのは、トレンドカラーです。
ナチュラルカラーやアースカラーといった、優しくて落ち着いた印象のものが多いですね。
コロナ禍以前だと、他の展示会でも明るく攻めたようなカラーが多かったようですが、この数年は特に癒されるような優しいカラーが多くなっているようです。

ディスプレイのトレンド・ウェーブスタイルカーテン

こういった世界の展示会では、各社がディスプレイにも力が入れています。

Sammy「写真は、カーテンメーカーの商談ブースです。シアーのウェーブスタイルカーテンがとても幻想的なイメージを出していて印象的でした。こういったウェーブスタイルカーテンを使っているところは多かったですね」

昨年のハイムテキスタイルや家具の世界的な見本市「imm cologne ケルン国際家具インテリア見本市」でもよく見かけたウェーブスタイルカーテン。
日本ではまだ一般的ではないですが、ヨーロッパではこのスタイルのカーテンが主流になってきているようですね。

人気デザイン「BERLIN in Bloom」 のつくり手

友安製作所でも人気の高いテキスタイルデザイン「BERLIN in Bloom」のデザイナーも、ハイムテキスタイルに出展していました。
ベルリンで活躍する彼女の新作デザインも、都会的でモダンな植物柄が中心。
どれもステキな物ばかりで、友安製作所のお客様にも喜んでもらえそうなデザインがたくさんありました。

ふすま紙にベルリンのデザインを!

ヨーロッパの多彩なファブリックブランド

● カラフルなスペインのブランド

友安製作所でも取り扱っているヨーロッパの人気ファブリックブランドもたくさん出展していました。

こちらの2枚の写真の「Joyper(ジョイパー)」は、スペインのファブリックブランド。地中海の明るい雰囲気が伝わる、カラフルで楽しいデザインが並んでいます。
友安製作所では、カーテンやシェードを取り扱っていますので、ぜひチェックしてみてください。

● 最新トレンドを発信するオーストリアのブランド

「Creative(クリエイティブ)」は、オーストリアから新しいトレンドを発信するファブリックブランド。
国際デザインスタジオとのコラボレーションによって、独自性のある創造性の高い商品を多く展開しています。
透けるような淡いカラーが特長で、環境に優しいデジタルプリントなど、ヨーロッパのテクノロジーも駆使した商品が魅力です。

● 北欧スタイルに欠かせないノルウェーのブランド

「Batangen(バタンゲン)」は、北欧・ノルウェーのブランドで、グレイッシュで落ち着いたカラーに個性的なデザインが魅力。
北欧スタイルのインテリアにもマッチする日本でも人気のデザインです。

ハイムテキスタイル2025 会場の様子

広い会場同士を結ぶ通路にも展示がたくさん。

日本でも人気の高いグレージュ系の淡いワントーンでつくられたディスプレイ。

3,000社以上の出展ということで、ハイクラスなイメージのものからカジュアルまで、幅広いメーカーと出会うことができました。

ラグやカーペットのコーナーは、実際に上を歩いたり、座ったりできます。

こちらはフランクフルトの駅。会場はフランクフルトの駅に直結していて、利便性も高い場所でした。

ハイムテキスタイル2025 を視察して

Sammy「ヨーロッパの展示会は、出展しているブランドやその商品だけでなく、来場している業界関係者も個性的でステキな人が多く、本当に刺激的な展示会ばかりです。商品のデザイン性も高く、型にはまらないカラーやデザインはとても勉強になります。
また、コロナ前より全体的に少し規模が小さくなっていたり、ブースが小さくなっているブランドも多かったですが、徐々に活気は戻ってきていると思います」

友安製作所では、こういった世界の展示会に足を運び、最新のトレンドを取り入れたオリジナル商品も展開しています。
次回は、フランス・パリの展示会レポートもお届けする予定ですので、ぜひチェックしてみてください。