「和室だからおしゃれにならない」「畳やふすまのせいで好きなインテリアにできない」と、和室のインテリアをあきらめていませんか?
でも実は、和室の可能性は無限大。「使えないから」といって、高いコストをかけて洋室に変えなくても大丈夫なんです。
畳の「イグサ」や障子・ふすまの「木・紙」は、人気の北欧インテリアやナチュラルスタイルと同じ自然素材。相性が抜群に良いんです。
畳やふすまを活かして、SNSで見るようなやさしい雰囲気の部屋をつくるコツと、実際のアイテムを使ったコーディネート実例を紹介します。
目次
和室が垢抜ける!失敗しない「3つの基本ルール」
「和室をおしゃれにしたいけれど、何から手をつければいいかわからない」 そう悩んでいる方は、まずこの3つのルールを押さえてください。
実は、和室のインテリアがうまくいかない原因の多くは、「家具の高さ」「色使い」「照明」のミスマッチにあります。この基本さえ守れば、畳や障子を活かしながら、洗練された空間に生まれ変わります。
①「低め」の家具で開放感を出す
畳のある部屋は、もともと床に座って過ごす「床座(ゆかざ)」を前提につくられています。そのため、背の高い家具を置いてしまうと、圧迫感が強く出てしまい、部屋が狭く見えてしまう原因にも…。
和室をおしゃれに見せるコツは、目線の低い「ロースタイル」を取り入れること。
■ソファ: 脚のないローソファや、座面が低いタイプ
■収納: 腰の高さまでのキャビネットや、背板のないオープンシェルフ
■ベッド: ロータイプのベッドフレームや、すのこベッド
このように重心を低くすることで、天井が高く感じられ、和室特有の「広がり」や「抜け感」を最大限に活かすことができます。
② 色味は「アースカラー」で統一する

「和室にどんな色を使えばいいのかわからない」という時は、自然界にある色=「アースカラー」を選べば間違いありません。
畳の「イグサ」は植物。そのため、同じ自然素材やアースカラーとの相性が抜群なんです。
■ベースカラー: ブラウン、ベージュ、アイボリー、グレー
■アクセント: 深めのグリーン、テラコッタ(素焼き色)、くすみカラー
柄物を選ぶ場合も、こういった柔らかいカラーを選ぶと失敗しにくくなります。
逆に、真っ赤や真っ青などのビビッドな原色や、無機質すぎる真っ黒は、畳の柔らかな雰囲気と喧嘩しやすいので避けるのが無難です。
木製の家具を選ぶ際も、鴨居(かもい)や柱の色味と近いウッドカラーを選ぶと、全体に統一感が生まれ、まるでその和室のためにつくったような落ち着きが生まれます。
③ 照明は温かみのある電球色に

もし今、和室の天井に「真っ白く光る丸いシーリングライト(蛍光灯)」がついているなら、それが「なんとなくダサい」原因かもしれません。
青白い光は機能的ですが、リラックスしたい空間や、インテリアの雰囲気を楽しむには不向き。和室をおしゃれに見せるなら、温かみのあるオレンジ色の光(電球色)を選びましょう。
■メイン照明: 和紙や木材など、自然素材を使ったペンダントライトに変える
■間接照明: 部屋の隅や低い位置に、フロアライトやテーブルランプを置く
電球色の光は、畳の凸凹や障子の質感を美しく浮かび上がらせてくれます。照明を変える(または電球の色を変える)のは、一番手軽で、かつ劇的に雰囲気が変わるテクニックです。
なぜ合うの?「和室×北欧・ナチュラル」を作るポイント
「和室に洋風の家具を置くと、ちぐはぐにならない?」 確かにそんな不安がありますよね?
でも、インテリアの世界では「和」と「北欧」や「ナチュラル」なスタイルは、とても相性が良いことで知られているんです。
なぜこの組み合わせが、誰でも失敗せずにおしゃれに決まるのか。その理由は、両者が大切にしている「共通点」にあります。
1.「自然素材」同士だから、喧嘩しない

和室 
ナチュラルインテリア
最大の理由は、使われている素材の親和性です。
■和室の素材: 畳(い草)、障子(和紙・木)、土壁、襖
■北欧・ナチュラルの素材: 無垢材の家具、リネン(麻)、コットン、ウール
| 素材 | |
|---|---|
| 和室 | 畳(い草)、障子(和紙・木)、土壁、襖 |
| 北欧・ナチュラルインテリア | 無垢材の家具、リネン(麻)、コットン、ウール |
見てわかる通り、どちらもプラスチックや金属などの人工的な素材ではなく、「植物由来の自然素材」がベース。 畳の素朴な質感には、ピカピカのガラスやスチールよりも、木目の美しいチェストや、ざっくりとした手触りのファブリックソファが自然と馴染みます。
2.「シンプル」で「機能的」な美しさ
日本の伝統的なデザインと、北欧のデザインには共通する哲学があります。それは「無駄な装飾を削ぎ落としたシンプルさ」。
北欧家具は、長く厳しい冬を室内で快適に過ごすために、飽きのこないシンプルなデザインと高い機能性を追求してつくられています。これは、無駄を省き、静寂を好む日本の「禅」の精神や和室のつくりととてもよく似ているんです。
主張しすぎる奇抜な形ではなく、機能美を重視したシンプルな家具を選ぶこと。これが、畳や襖の直線的なラインと美しく調和する秘訣です。
3.「余白」を大切にする
SNSで見かける「おしゃれな和室」に共通しているのは、「物を詰め込みすぎないこと」。
和室にはもともと、空間そのものを楽しむ「余白の美」という考え方があります。 北欧インテリアやナチュラルインテリアも同様に、部屋の中にゆとりを持たせ、光や風の通り道を作ることを大切にします。
■壁一面を家具で埋め尽くさない
■畳の面(グリーン)が見える面積を広くとる
■雑貨を飾る場所を一ヵ所に絞る
この「余白」を意識するだけで、生活感が薄れ、モデルルームのような洗練された雰囲気が生まれます。古い和室こそ、あえて物を減らして「空間」を見せるのが、一番の垢抜けテクニックです。
真似したくなる!「和ナチュラル」実例

こちらは、ふすまをリメイクして大人可愛い和ナチュラルなイメージに変身した和室。
ふすま紙を、和柄ではなく、やさしく洗練されたデザインの花柄に変え、テーブルランプで間接照明も取り入れました。ふすま紙だけでなく、ファブリックパネルや照明、クッションカバーにも花柄を取り入れていますが、カラーを統一しているから全体的にまとまりが出ていますよね。
過ごしやすい畳はそのままに、カラーを合わせたシンプルなラグを敷くことで、お部屋のアクセントをつくっています。
ふすまの張り方はコチラ!
壁DIYでつくる「和ヴィンテージ」実例

アンティークの家具や小物が際立つ「和ヴィンテージ」のコーディネート。
和室特有の土壁をブラックの塗り壁にDIYすることで、典型的な古い和室におしゃれなレトロ感をプラスすることができました。また、フロアランプやテーブルランプ、ペンダントライトもすべてアンティークテイストに統一。ふすまと畳はそのまま活かして、全体的に懐かしい和洋折衷の大正ロマンのような雰囲気に。
ここで使用した塗り壁材は、漆喰と同じ石灰石を主成分とした天然素材の塗り壁材「ひとりで塗れるもん」の「コテコテゴリラブラック」。パンにマーガリンを塗るような軽いタッチ塗れるので、DIY初心者でも楽しんでチャレンジできますよ。
●塗り壁材:ひとりで塗れるもん(コテコテゴリラブラック)
●シャンデリア:アイアンシャンデリア6灯「DESIR(デジール)」
●フロアランプ:ウイリアムモリス照明・ヴァイン(本体:ブラウン)
●テーブルランプ:ウイリアムモリス照明・いちご泥棒(ブルー)
和室DIYの詳しい方法はコチラ!
古い和室をレトロ可愛い空間に
築40年のザ・日本家屋も、ふすまをリメイクするだけで、大人可愛いレトロな部屋に変身しました。余ったふすま紙を使って、さらに障子もアレンジ。同じ柄を使うことで、部屋全体に統一感も生まれますよ。
今回使用しているふすま紙は、友安製作所オリジナルのアイテム。パリのお庭に咲いている季節の花々をモチーフにデザインされた「Garden in PARIS」です。写真の柄・フォイユは、ヨーロッパブナを絶妙なくすみカラーで描いたデザインで、大人女子の和室におすすめ。
番外編:インパクト大!個性際立つ「和の壁紙」 実例
北斎好きは必見!ふすまにも好きな絵画を
「ナチュラルよりもインパクトがほしい」「ちょっと尖ったおしゃれが好き」という人には、葛飾北斎の名作「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をイメージさせるようなデザインの壁紙を。
こちらの壁紙は、ふすまにも使えるので、和室の襖に貼って個性的な和室を演出するのも素敵です。
伝統的な柄を現代的にデザイン

モスグリーン 
ブラック
和の伝統的な柄「老松」を現代的にデザインした壁紙・オイマツ。
和室だけでなく、リビングのアクセントウォールやトイレ、洗面スペース、書斎などさまざまな場所に使え、高級感のある和モダンな空間を演出してくれます。カラーは、ブラックとモスグリーンの2色。
まとめ:まずはポイントを押えるだけ
「古いから」「他の部屋とテイストが違うから」と、これまで和室のドアを閉め切っていた方も多いのでは? しかし、今回ご紹介したように、和室は決してインテリアの「制限」ではありません。むしろ、流行の北欧スタイルやナチュラルな空間をつくるための、最高の「素材」です。
大掛かりなリフォーム工事をしなくても、和室インテリアの楽しみ方は無限大。
- ふすまを明るく現代的な柄に張り替える
- 温かい光でリラックスできる空間をつくる
- 土壁を塗り替えてヴィンテージ感を演出する
- アースカラーで統一して、畳と家具を馴染ませる
こういったポイントを押えるだけで、「古い部屋」だった和室が、「家の中で一番落ち着く、自慢の場所」へと生まれ変わります。
まずは、お気に入りの照明をひとつ置いてみたり、クッションカバーをアースカラーのものに変えてみたり…そんな小さなことから始めてみませんか?




















●ふすま紙:オリジナルふすま紙「BERLIN in Bloom」(ラインクラウト ブルー)
●ファブリックパネル:オリジナルファブリックパネル「BERLIN in Bloom」(ラインクラウト ブルー)
●テーブルランプ:ウイリアムモリス照明・マリーゴールド(ライトブルー・本体ホワイト)
●クッションカバー:マグノリア
●ラグ:マイン・プレーン(ミストグレー)