バイヤーが一目惚れ!オリジナルデザイン「Garden in PARIS」開発ストーリー

パリの庭をモチーフにした洗練されたデザインが、2023年発売当初からインテリア好きの女性を中心に人気の『Garden in PARIS』シリーズ。
実はこのシリーズ、友安製作所として初めてのオリジナル窓際装飾アイテムなんです。
発売まで1年以上かけて同シリーズをつくり上げた企画担当・Aliceに、オリジナル商品開発への想いや制作秘話、おすすめのコーディネートなどを聞いてみました。

『Garden in PARIS』シリーズとは?

『Garden in PARIS』は、フランス・パリを拠点に活動するデザイナーが、庭の花々をモチーフにデザインした全14柄のインテリアシリーズ
繊細なデッサンを活かしたドライフラワーのようなデザインや、グラデーションが魅力の水彩画のようなデザイン、さらに植物をシルエットだけでシンプルに表現したデザインなどバリエーションも豊か。
どのデザインも落ち着いたカラーリングで、大人可愛いデザインが特徴です。

意外に思われるかもしれませんが、どのデザインも和室にもマッチすることも魅力の一つ。
ヨーロッパの洗練されたデザインでありながら、「和」の雰囲気にも合わせられるのは、日本のインテリアを深く理解した友安製作所のバイヤーが厳選したからこそ。

カーテンやロールスクリーン、ふすま紙など全9種類のアイテムを展開し、シリーズでトータルコーディネートすることができます。

【想い】おしゃれで可愛いオリジナルデザインをつくりたい!

Garden in PARIS ジャルダン

友安製作所は、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど様々な国の見本市や展示会、メーカーに足を運び、日本ではなかなか販売されていないオシャレで個性的なデザインのインテリア製品を発掘しています。
そういった中で、常に探し求めていたのが、友安製作所だけの、友安製作所らしいオリジナルデザイン

Alice「社内にデザイナーも在籍していますし、私自身もデザインをすることはできますが、やはりテキスタイルデザインをゼロから複数作るのはかなり困難。どこにも使われていない、シンプルで可愛くておしゃれなデザインを世界の見本市で発掘することが私のミッションでした」

ドイツ「ハイムテキスタイル」での出会い

ハイムテキスタイルの様子

友安製作所のオリジナルデザインとなるものを探していたAliceが、まさに「一目惚れ!」したデザインと出会ったのは、コロナウィルスの影響で2年ぶりの開催となった世界的なテキスタイルの見本市『Heimtextil(ハイムテキスタイル)2022』

毎年ドイツのフランクフルトで開催されるハイムテキスタイルは、世界最大のホームテキスタイル・コントラクトテキスタイルの見本市。約10万人もの来場者があると言われるこの見本市ですが、2022年はコロナ禍の影響で出展数も来場者も少なかったようです。
しかし、いつもより小規模になった分、宝探しの難易度が低くなりました。
見本市の中には、個人やグループのデザイナーがテキスタイルデータを権利ごと販売するブースがあるのですが、宝物はそこに埋まっていたんです。

日本人に好まれる可愛いデザインを発掘!

Aliceシンプルなのに可愛い!これなら日本でも絶対ニーズがある!! 一目見てそう思ったのが、デザイナー・コンスタンティンのテキスタイルデザインでした。四季の花をスケッチから描き起こした繊細なデザインは、カーテンなどはもちろん、ふすま紙にもできるし、シリーズでいろいろなアイテムを作ることができるって思ったんです」。

まさに一目惚れで、「絶対買って帰る!」とAliceが選んだのは、20柄程度。さらにその中から、日本で好かれそうなデザインを14柄厳選しました。

ちなみに、他にも様々なデザイナーがテキスタイルデザインを販売していましたが、一枚物のアートのような作品が多く、日本ではウケ難いデザインであったり、幅広いアイテムに使用するには、汎用性が低いデザインが多かったそうです。
それくらい、コンスタンティンのデザインは掘り出し物だったということ。

課題:素材による色の違いを解消したい!

Garden in PARIS ジャルダン/カーテンロールスクリーン

ハイムテキスタイルで出会ったコンスタンティンのデザインですが、商品化するにあたってなかなか手強い「課題」がありました。

それは、商品化するアイテムの素材ごとに異なる「色」の出方。

『Garden in PARIS』というシリーズで、カーテンやロールスクリーン、ふすま紙といったふうにトータルコーディネートを提案するためには、しっかりとデザインを統一する必要があります。

しかし例えば、ふすま紙の場合は「紙」という性質上、最も元のデザインを表現しやすくなっていますが、カーテンやロールスクリーンは素材がグレーがかっているため、そのままのデザインデータで印刷しても、忠実に元の色味を再現することができないのです。
さらにロールスクリーンは、硬仕上げという方法でロールスクリーンに適した生地にしているため、若干黄色っぽくもあるのだとか。

Alice「そのまま印刷しても製品はでき上ります。でも、色味が違うと本来のデザインの可愛いさが表現しきれないんです。そんなの勿体ない! それに、せっかくデザインを気に入って、お部屋のトータルコーディネートをしたいって思ったお客さんに、残念な思いをしてほしくなかったんです」

解決:とことんこだわって理想のデザインに

自社の印刷機でふすま紙を印刷中

色合わせの課題を解決するには、トライ&エラーの地道な作業が必要でした。
社内デザイナーと連携しながら、データの色味を微調整して印刷でチェックするという作業を繰り返し、理想の色味に近付けていきました。

アイテムごとにこういった微調整を行い、一つの部屋に複数のアイテムを使っても、色の違和感なくトータルコーディネートできるように仕上げていったのです。

これが実現できたのは、自社にデザイナーが在籍し、印刷環境も整っているから。
デザイナーだけでなく、印刷オペレーターとも、「あーでもない。こーでもない」と意見を出し合い、とことんこだわってより良いものを追求していきました。

トラブル発生!カーテンの柄が合わない!?

ヤドリギを花束のように並べたデザイン「ドゥ ギィ」

やっとのことでカーテンに理想のデザインが印刷できるようになったところに、トラブル発生!
このままでは幅広いカーテンがつくれなくなるかも!?

通常、カーテンは仕上がりの巾が大きくなる場合、生地を横に継ぎ足すことで大きなサイズも製作可能になります。
その「巾継ぎ」をする場合は、継ぎ足す部分の柄合わせも必要になり、印刷データもそれを計算して柄を配置していくことになります。

Alice「サンプルができあがり、協力会社に縫製をお願いした時に、デザインがこの巾継ぎに適していないことを指摘されたんです。私も全く気付いていなくて、失敗してしまいましたね。デザイナーと一緒に、最初から柄を組み直すことに。発売日も迫っていたので、正直かなり焦りましたが、周囲にも協力してもらって、なんとか発売にこぎつけることができました!」

『Garden in PARIS』誕生!

ハイムテキスタイルでコンスタンティンのデザインに出会って1年以上。
全9種のアイテムでトータルコーディネートが可能な『Garden in PARIS』シリーズが完成しました。
リビングや寝室だけでなく、和室やバスルームまで、家中の様々な場所でパリの花々を楽しむことができます。

【 アイテム一覧 】

・ロールスクリーン(プルコード式・プルハンドル式・チェーン式)
・ドレープカーテン(1.5倍ひだ・2倍ひだ・フラットカーテン)
・カフェカーテン
(ポールホール仕様・ロッドポケット仕様/高周波カット仕様・三つ巻き縫い仕様)
・ローマンシェード(I型コード式・ドラム型チェーン式)
・突っ張り棒シェード(小窓シェード)
・クッションカバー
・生地売り
・ふすま紙
・防水壁紙シール

発売直後に注文が!人気が出ることを確信

リュパン

発売直後に、ルピナスを描いた柄「リュパン」の小窓シェードの注文が入りました!
先行して発売していた「ふすま紙」から全アイテムの発売まで、様々な課題やトラブルを乗り越えて来たこともあり、喜びも大きかったようです。

Alice「本当に発売してすぐだったので嬉しかったですね。これは人気が出るって確信しました!」

順調に注文数は伸び、なかには広い和室用にふすま紙を十数枚も注文してくれたお客様も。
和室にもしっくりと馴染むデザインの魅力が伝わったようです。

バイヤーおすすめコーデ

9種類のアイテムを使って様々なシーンで様々なコーディネートが可能な『Garden in PARIS』シリーズ。
その中でも特にバイヤー・Aliceがおすすめのコーディネートを教えてもらいました。

① ロールスクリーンと無地レースカーテンのコーデ

ロールスクリーン「リュパン」レースカーテン(クララ)

一つ目のおすすめは、ロールスクリーンとレースカーテンの組み合わせ
ロールスクリーンだけでもボタニカルなデザインを楽しむことができますが、手前に同色のレースカーテンをプラスすると、さらに凝ったインテリアに。特に、同じ空間に同じ柄を何ヵ所か使う場合は、レースカーテンがちょうど良いアクセントにもなります。
また、レースカーテンを閉じてもロールスクリーンの柄が透けて見え、開けた状態との違いを楽しめます。

Alice「ロールスクリーンは2023年から自社工場もスタートし、品質にも自信があります。フラットな面になるので、『Garden in PARIS』の魅力であるボタニカルなデザインも映えると思いますよ!」

ロールスクリーン「ドゥ ギィ」レースカーテン(クララ)

② 和室のコーデ でレトロ可愛く

Alice「和室に合うと確信して制作していたものの、和室のコーデを撮影した時に、『これは可愛い!絶対おすすめしたい!!』って改めて思ったんです」
と、Aliceが語るのは、『Garden in PARIS』のふすま紙やカーテンを使った和室のコーディネート。
築40年の友安製作所スタッフ宅も、ふすま紙を『Garden in PARIS』に替えただけで、一瞬にしてレトロ可愛い空間へと変貌しました。

「古い日本家屋をおしゃれにしたい」
「堅苦しい和室を可愛くしたい」
「団地のふすまを貼り直して、明るいイメージにしたい」

そんな日本ならではの悩みも、『Garden in PARIS』シリーズならおしゃれに解決できます。

「フォイユ」をアレンジ

余ったふすま紙を使って、上の写真のように障子をアレンジ
現代では邪魔にされることが多い障子ですが、ちょっとした工夫で光を取り入れながらおしゃれな窓際アイテムになります。

次は壁紙も!?『Garden in PARIS』でトータルコーデを

マルグリット

現在、窓周りアイテムを中心に9種類のアイテムを展開する『Garden in PARIS』ですが、Aliceに次の展開を聞くと、

Alice「ゆくゆくは壁紙もつくっていけたらいいですね。こういったボタニカルな柄の壁紙なら、アクセントウォールとしても、広い面積でも可愛いと思いますよ」

今年もAliceは、ヨーロッパの様々な展示会に足を運んでいます。
『Garden in PARIS』のように、また世界中の素敵なアイテムやデザインを発掘してくるはず。
これからも友安製作所のオリジナル商品にご期待ください。