DIY初心者でもチャレンジしやすい材料の一つが「塗料」。
この記事を書いているライターJackyも、自宅のDIYで壁に塗料を塗って雰囲気をガラリと変えることができました。
でもその塗料って、間違って選ぶとせっかくのDIYが苦い思い出に…。
DIY塗料には大きく分けて、水性塗料と油性塗料の2種類がありますが、それぞれのメリット・デメリット、そして肝心の「どんな時に使うのか??」を解説していきます。
目次
そもそも塗料とは?
塗料にはたくさんの種類がありますが、塗料の定義としては、「流動性を持ち、物体の表面に塗り拡げられ、薄い膜となって乾燥、固化、密着してその物体の保護、美化及びその他の目的を達成するもの」【出典:消費者庁】。
用途も様々で、屋外に使えるもの、屋内で使うもの、木部に塗るもの、車に塗れるものなど様々。
塗料を塗る場所や、好みの仕上げ方で塗料の種類を選ぶことができます。
塗料の特徴
●保護する役割
乾燥すると表面に塗膜ができ、雨や紫外線などから対象物を守ってくれます。
●美化する役割
対象物に色やツヤを与え、美しく見せてくれます。
●機能性が加わります
防腐や防カビ、耐熱性などといった機能性を対象物に与えることができます。これにより物の付加価値が向上します。
DIY塗料の種類は「水性」と「油性」
塗料の分類の仕方や種類はいくつもありますが、DIYに使う塗料は大きく分けて2種類。
希釈する(薄める)液体によって分かれます。
水で希釈するものを「水性塗料」。シンナーで希釈するのが「油性塗料」。
塗料の種類 | 希釈液(何で薄めるか?) |
水性塗料 | 水 |
油性塗料 | 塗料用シンナー |
さらに、各種には1液型、2液型というものがあります。1液型とは塗料をそのまま使用できるもので、そこに希釈する液体を入れて使います。2液型は塗料と硬化剤を混ぜて、最後に希釈する液体で薄める仕様です。
例えば、「水性塗料の1液型」となると、「主材(塗料)+水」。
「水性塗料の2液型」となると、「主材(塗料)+硬化剤+水」。
というふうに混ぜて塗装を行います。
ちなみに、1液型に対し、2液型はさらに配合量を正確に行わないといけないため、難易度が高めで、管理も大変。
一方、1液型は塗料と希釈する液体を希釈率通りに混ぜるだけなので、作業としては手間がかかりません。
【塗料の「希釈」について】
希釈する(薄める)ことで、塗料の粘度を調整することができます。
希釈率は塗料によって異なりますので、商品の注意書き等をチェックして、その通りに希釈しましょう。
希釈率は「水で0~5%」と幅を持たせてあることがほとんど。
これは気温や湿度、塗り方で塗料の粘度が変わるから。最初は少な目に入れて、様子を見ながら追加していきましょう。
使われている樹脂の種類で性能が大きく変わる
塗料は、「樹脂・顔料・添加物・溶剤」という4つの成分で構成されていますが、このうち「樹脂」は、塗料の性能に大きく影響を与える成分です。
一般的に塗料の樹脂に使われるのは、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素。樹脂の種類によって、塗膜の強さや耐久性、ツヤも変わってきます。
耐用年数は、アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素 の順になります。
例)水性アクリル塗料よりも、水性シリコン塗料のほうが長持ちする。
水性塗料の特徴
水性塗料は、揮発性有機化合物の排出を抑えた塗料。塗料の主成分「顔料・樹脂・添加物」を水で溶かしています。
希釈も水と混ぜるだけで使いやすく、その扱いやすさからDIYや塗料初心者に人気です。
水性塗料のメリット
●ニオイが少ない
なんと言っても、有機溶剤特有のニオイがほとんどないことが特徴。
油性塗料の場合は、塗料が乾く際にシンナーが揮発してこのニオイが発生しますが、水性塗料の場合は水で希釈しているので、乾く際もニオイが発生しません。
●環境に優しい
水性塗料は水で薄めるので環境に優しいだけでなく、人体への影響が少ないと言われています。
●溶剤中毒がない
希釈する際、シンナーを一切使用しないので、溶剤中毒がありません。
●値段が安いものが多い
溶剤が含まれていない分、油性塗料よりもリーズナブルなものが多いことも特徴。
●後片づけが楽
作業後は刷毛やバケツなどの道具を水で洗い流せるので、後片づけも楽にできます。
水性塗料のデメリット
・塗膜の寿命が短い
油性塗料に比べると水性塗料の塗膜は若干弱め。
◎近年の水性塗料は改良されて油性塗料に負けないくらい耐久性が上がったものもあります。
・素材によって塗布できないものがある
金属などにそのまま塗ると弾いてしまうため、対象物の素材によっては塗布できないもの。
◎木部以外の金属製やプラスチック製のものに塗る際は、下塗り材を塗布することで、密着性が高まります。
・ツヤが落ちやすい
耐久性が少し弱いため、塗膜のツヤが落ちやすいこともデメリット。
◎ツヤがないことで、逆にマットな色合いが楽しめます。
・低温の環境下や雨の中での施工は困難
気温が低い中で塗布すると硬化機能が弱くなります。また、雨の中で塗ると乾燥してない状態で水にかかると溶けてしまいます。天気がいい日に行いましょう。
塗膜とは?
塗料を塗って、固まることで作られる塗料の膜です。水や紫外線、熱などのダメージから守る役割があります。
油性塗料の特徴
油性塗料とは、顔料とボイル油などを練り合わせて作ったものです。強い塗膜ができるので外壁塗装に重宝されています。
油性塗料のメリット
・水性塗料よりも耐久性、耐摩耗性が強い
水性塗料に比べて油性塗料の方が、下地にしっかり密着するため、耐久性、耐摩耗性の強い塗膜を作ることができます。
・ツヤがいい
水性塗料よりも耐久性があるので、ツヤが維持されます。
・乾燥するのが早い
油性塗料は、水性塗料に比べて水の量が少ないので、乾燥が早いものが多い傾向です。
・雨など水に対して強い
塗膜が強固なので、劣化しにくく、外壁塗装に最適です。
油性塗料のデメリット
・溶剤中毒を起こす可能性がある
溶剤であるシンナーが含まれるため、水性塗料よりニオイが強く、溶剤中毒を引き起こす可能性もあります。
・火気に注意する必要がある
シンナーにより火災につながる可能性があるため、火気に注意し、換気も十分に行う必要があります。
・揮発性有機化合物を含むものが多い
シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物が含まれている場合があります。
有害物質を含んでいない塗料の場合は『F☆☆☆☆』が採用されていますので、このマークを確認して選びましょう。
・値段が高い
油性塗料は溶剤が含まれているため、水性塗料に比べて値段の高いものが多くなります。
・扱いが難しい
水性塗料に比べると、液だれの処理などが難しく、キレイに塗るのが困難です。また、片付けをする際、道具などをシンナーで洗わないといけないため、手入れも大変です。
DIY塗料の選び方
水性塗料と油性塗料の特徴やメリット・デメリットはわかったと思いますが、「じゃあ、どっちを選べばいいの?」というのが問題ですよね?
ここからは、何を基準に塗料を選んだらいいのか?塗料の選び方を解説していきます。
① どこに塗装するのか?
塗装する場所によって、選ぶ塗料が変わってきます。
雨風の当たる屋外であれば、耐候性の強い塗料を選ぶ方が長持ちします。家具などの屋内にあるものに塗装する場合とは、全く用途が違いますよね。
少し前までは、「屋外用は油性塗料、屋内用は水性塗料」というのが基本的な考え方でしたが、最近は水性塗料でも耐候性の高いものが販売され、屋外に使えるものも多くなりました。
また、油性塗料でも『F☆☆☆☆』を取得して、耐候性がありながら人体に影響が少ないものも販売されています。
場所に合わせて塗料を選びましょう。
② 誰が使うものに塗装するのか?
「誰が使うものに塗装するのか?」という点でも、塗料を選ぶ必要があります。
例えば、小さなお子さんが使う家具に塗装するのであれば、舐めたりしても安全な塗料にしておきたいですよね。
屋内用の塗料(大抵は水性塗料)は安全性の高いものが多いですが、しっかりと商品の説明を読み、理解してから使いたいですね。
③ どんな効果が必要なのか?
塗料には、その商品によって様々な効果を得ることができます。
塗装する場所にも関係することですが、水回りであれば「耐水性」が重要になり、屋外であれば「耐候性」や「防腐性能」も重要になります。
改めて、「何のために塗装するのか?」を考え、目的になった効果の塗料を選びましょう。
★DIY初心者にオススメの塗料
初心者は水性塗料で決まり!
DIY初心者にオススメの塗料は、ズバリ「水性塗料」。
水で希釈する手軽さやニオイの少なさ、後片付けの簡易さなど、初心者がDIYにチャレンジしやすい条件がたくさん詰まっています。
特に初心者は、「手軽さ」を重視して選ぶことでDIYの楽しさも感じられると思いますよ。
水性塗料がDIY初心者に向いている理由
水性塗料がDIY初心者に向いている理由はさまざま。
具体的に、「なぜオススメなのか?」を解説していきます。
●「水」で希釈するので手軽
油性塗料はシンナーで希釈するため、初心者にはちょっと扱いづらいところ。
その点、水性塗料は水で希釈するので、絵の具などと同じ感覚で薄められ、気軽にチャレンジできますよね。
※希釈率は商品の説明書の通りに合わせましょう。
●ニオイが少ない
水性塗料は有機溶剤特有のニオイがほとんどなく、いわゆる「ペンキ臭い」ということが少ないことが特徴です。
そのため屋内でも使いやすく、小さいお子さんがいるおうちでも安心して使えます。
「安全度が高い=手軽に使える」ということでDIY初心者にオススメなのが水性塗料です。
●道具の後片付けも楽
水性塗料は、刷毛やバケツなどの後片付けも、水で洗うことができるので楽ちん。
油性塗料だと、シンナーで洗う必要があります。
●効果が高いものが増えている
近年の水性塗料は、車の塗装に使えるものなど、耐候性・耐水性などに優れた商品がたくさん発売されています。
手軽に取り扱えて、効果が高いということで、初心者にもオススメ。
★健康志向の方のDIYにオススメの塗料【F☆☆☆☆】マーク
「DIYは楽しみたいけど、特に屋内で使うものは化学物質が気になる…」
という健康志向の方は、【F☆☆☆☆】マークを取得している塗料を選びましょう。
F☆☆☆☆(エフスターフォー)は、建材(塗料も含む)のホルムアルデヒドなど化学物質の放散量の等級表示です。「F」=ホルムアルデヒド、「☆」の数が多いほど放散量が少なくなっています。
F☆☆☆☆は、最も放散量が少ない塗料に付けられる等級で、屋内での使用量の制限がありません。
DIY初心者にもオススメの塗料
★壁紙に塗れる水性塗料
友安製作所オリジナル水性ウォールペイント「メゾン」は、壁紙の上から塗装できる水性塗料。
「部屋の雰囲気を変えたいけど壁紙を貼るのは難しそう…」というDIY初心者の方も、簡単に壁の色を変えられ、お手軽にリノベを楽しめます。
7色のフレンチカラーは、単色で塗っても、ツートンやストライプにしても個性が出ておしゃれ♪
こんな塗り方もできます!
★車に塗れる水性塗料
水性車用塗料「 Dippin’ Paint 」は、車用の塗料には珍しい水性塗料。
水性でありながら、高い耐候性と耐ガソリン性があり、車や自転車、バイクなど野外で使うものにも最適な塗料です。
色は、オリジナルカラーを含めたレトロカラーが35色。上の写真で使ったのは、
●ボディのメイン:リネンベージュ 4kg
●バンパーなど:ダークネイビー 2kg
●サインアート:マットブラック 200g
●水性塗料だから手軽
車用でありながら水性塗料なので、希釈も水を使えて手軽にチャレンジできます。
●ニオイが少なく、乾くと無臭
ニオイが少ないので、自宅のガレージでも安心して施工できます。
●自転車等のリメイクに
「車はちょっと大変そう?」と思った方も、車だけでなく、自転車や三輪車、スライダーなどにも使えるので、「お古でもらったスライダーを再利用!」なんてこともできます。
●初心者用の施工セットが便利
「はじめて車塗装セット」も販売されているので、道具も一緒に揃えられて、車塗装のハードルが下がります。
車塗装の方法はコチラから
★国産・自然塗料 U-OIL(ユーオイル)
国産・自然塗料 U-OIL(ユーオイル)for DIYは、木部用の塗料。
油性塗料ですが、精選亜麻仁油、紅花油などの自然素材でできたものなので、お子さんがいるおうちでも安心安全に使えます。
また、従来の塗料とは違い木材の木目を消すことがなく、素材の質感を生かすこともできます。
●油性だけど自然素材でニオイが少ない
自然素材で作られているため、油性塗料特有のシンナー臭もなく、初心者でも安心して使えます。
●ホルムアルデヒドの発散がほとんどない
シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの発散がほとんど認められないため、家の中のものにも使えます。
●屋内・屋外どちらでも使える
いくつも塗料を買うのって面倒ですよね。初心者なら余計にそう思うはず。U-OILだったら耐候性もあるので、屋内・屋外ともに木部に使え、いくつも塗料をそろえる必要はありません。
●水性塗料だから手軽
これまで水性塗料の特性を説明してきたように、希釈も水でOK! 片付けも簡単だから初心者にも嬉しいですね。
●ニオイが少ない
嫌なニオイがほとんどせず、おうちの中でも使いやすいことが特徴です。
●F☆☆☆☆認定取得
シックハウス症候群の原因の一つでもあるホルムアルデヒドなどの放散量がほとんどない「F☆☆☆☆」認定取得の塗料です。
●伸びがよく、塗りやすい
伸びが良くて壁紙に塗りやすいので、初心者にもオススメ。少しツヤがあるので、初心者が塗っても高級感のある仕上がりに♪