工場であそぶ日 Vol.JULY / AUGUST「工場で過ごす夏休み」開催レポート

今年の4月から毎月開催している、『工場(こうば)であそぶ日』。鉄工所、木工所、オフィスなど、わたしたちのものづくりの現場を一般の方に開放して、あそびながらものづくりに触れていただく日です。

7月と8月のテーマは、「工場で過ごす夏休み」。いつもの工場見学を、ちょっと深掘りしました。

普段私たちは、鉄工や木工を軸にものづくりをしています。でも、そもそも、鉄と鉄はどうしてくっつくの?なぜ鉄は曲がるの?なぜ木は燃えるのに、鉄は燃えないの?——言われてみると、ものづくりの世界は「ふしぎ」だらけ。夏休みの自由研究のように、実際に見て、触って、実験しながら、その「なぜ?」をいっしょに解き明かす日にしました。

参加者のみなさんにお渡ししたのは、オリジナルの「こうじょう見学ワークシート」。 工場をまわりながら、実験の結果や体験して気づいたことを自分の手で書き込んでもらいました。


木と鉄を、くらべてみよう

最初は、友安製作所のものづくりの主役である「木」と「鉄」を、そのまま比べるところから。

「水に浮かべてみる」、「氷をのせてみる」、「たたいてみる」。
3つの実験を、みなさんに実際にやってもらいました。

まず、木片と鉄片を水に落としてみます。すると、木片は木に浮かび、鉄は沈む。
次に、木板と鉄板の上に氷をおいてみると、鉄板の上に置いた氷はみるみるうちに溶けていきます。
そして、ハンマーで木板と鉄板を叩いてみます。鉄はほとんど凹みませんが、木は大きく凹みます。

氷の溶け方を比較

答えだけ聞くと当たり前のようですが、「どうしてそうなるの?」まで踏み込むと、ぐっとおもしろくなります。木はは中に小さな空気がたくさん入っているから浮く。鉄は熱を伝えるのが得意だから、氷が早くとける。鉄は人の力では形をかえられない。木と鉄、それぞれに異なる性質があるからこそ、友安製作所には両方の工場があります。性質のちがう2つの素材を、それぞれに合った方法で加工し、家具をつくっています。この日いちばん伝えたかったことが、実験を通すことで、深く理解していただけたのではないかと思います。

鉄はかたいのに、どうやって「切る」の?

はじめの実験でわかった、「鉄はとっても硬い」ということ。では、その鉄をどうやって加工しているのか。実際に加工の様子を、見て、体験していただきました。まずは鉄を切る工程です。

職人のPunchが、メタルソーという鉄を切る機械で、切る様子を見せてくれました。機械からは、白い液体がずっと出ています。

ここでクイズです。「この白い液体はなんでしょう?」

正解は、「水と油」。
刃と鉄がこすれると、ものすごい熱が出ます。そのままだと刃も鉄も傷んでしまうので、冷やしながら切るためにこの液体をかけ続けているんです。また、切りくずを流す役割、油でスムーズに動かす役割、切り口が錆びないようにコーティングする役割があります。
こうした「なに?」や「なぜ?」をクイズを通して知っていただきました。

わかったことはワークシートに記入

鉄はかたいのに、どうやって「曲げる」の?

次は「曲げる」。まずは、鉄の棒を手で曲げてみるところから。もちろん、びくともしません。ところが、治具(じぐ)という道具を使うと——同じ鉄の棒が、かんたんに曲げられました。てこの力です。さっきまで「絶対に無理」と言っていた子が、自分の力で鉄を曲げてしまう。みんな曲がった瞬間嬉しそうな顔をしてくれるのが、わたしたちも嬉しかったです。ちなみにここで曲げてもらった棒は、壁付けマガジンラック「bun」の一部でした。

治具を使って鉄の棒を曲げてみる

さらに、火であぶってみると、熱くなった鉄はやわらかくなって、また違う曲がり方をします。つくりたい形状に合わせて、加工の仕方を変えて製品をつくっています。職人さんたちは簡単にやっているように見えますが、実はそこには、いろんな技術や試行錯誤が詰まっているんです。

「溶接」ってなに?

最後は、溶接(ようせつ)。鉄と鉄がくっつく、あの不思議についてです。
ここでは、いろいろなクイズを用意しました。

鉄がとける温度は?
身の回りで溶接でつくられているのは?
溶接のすごい熱を出しているのはなんの力?
職人さんがお面をかぶるのはなぜ?

溶接についてのクイズを出題

それぞれの答えに選択肢を用意して、考えてもらいました。溶接の技術は、学校でもなかなか知る機械が少ないかもしれませんが、日常で目にするものにも、その技術はたくさん使われています。今回工場に来ていただいたからこそ、いろんな発見を持ち帰っていただいていたら嬉しいなと思います。

溶接で記念バッジを手作り

最後は、今回の体験をやりきってくれた証として、バッジをプレゼント。そのバッジは、自分で溶接をして作っていただきました。
バラバラに用意した蝶の羽と体を溶接でくっつけます。はじめは恐る恐るトーチを握る子もいましたが、みんなきれいにバッジを完成させてくれました。

溶接に挑戦
蝶のバッジが完成

今回の工場であそぶ日は、「すごい、おもしろい」だけで終わらせず、「なぜ?」まで深堀りをしました。いろんな不思議を知っていただくと、さらに新たな疑問が湧いて来て、ものづくりに深く興味を持っていただくきっかけになったように思います。

次回予告:9月も、工場であそぼう

次回の『工場であそぶ日』は、Vol.SEPTEMBER。テーマは「謎解き」です。

友安製作所全体が、なんと「謎解きステージ」に大変身します。友安製作所に遊びに来てくれたことがある方も、初めての方も。 普段とはひと味違う、謎に包まれた工場で、皆さんのご参加をお待ちしています。

ご予約はPeatixから受付中。皆さまのご参加をお待ちしています。