「友安製作所ライブラリー」とは、友安製作所で働く社員が月に一度、会社負担で本を購入できる制度のこと。読み終えた本は、オフィスの片隅に静かに佇む本棚へと並んでいきます。
今回は、そんな社内の本棚から、社員がどんな本とであっているのかをこっそり見せてもらうことにしました。 お話を聞いたのは、工務店事業で空間づくりを手がけるデザイナーのStore(ストア)と、ECサイトで商品の魅力や販売情報を伝えるEC店長のMash(マッシュ)の2名。日々のものづくりの裏側には、一体どんな本からのインスピレーションが隠れているのでしょうか? 制度の裏側と、社員のリアルな声を少しだけ覗いてみましょう。
目次
「知りたい」という好奇心を、会社がそっと後押し

「友安製作所ライブラリー」は、月に一冊、業務や業界に関わる本を会社負担で購入できる、私たちの嬉しい取り組みです。 専門的なデザイン本から、ビジネスのヒントになる本まで、日々の業務のなかで「これが必要かも!」と思ったものを自由に選ぶことができます。
この制度ができたのは約3年前でした。インテリアやDIYのアイテムを中心に、さまざまなサービスを通じて、人々の「心地よい暮らし」や「わくわくする空間づくり」のお手伝いをしている私たち。 誰かの暮らしを豊かにするアイデアやヒントをお届けするためには、まず私たち自身が新しい知識に触れ、感性を磨く時間がとても大切だと考えています。だからこそ、「もっと知りたい」「スキルを磨きたい」という社員の情熱を、会社がそっと後押しできれば……そんな想いが込められています。
読書後は共有の本棚に。社内で広がる知見の輪
ちなみに、選ぶのは電子書籍ではなく「紙の本」。購入した本は、読み終わったあとにオフィスの一角にある本棚へ並べるという、ちょっとしたルールがあります。
自分が学んだことや、インスピレーションを受けた一冊が本棚に並び、また別の誰かの手に渡っていく——。個人の学びで終わらせず、会社全体の成長や新しいアイデアのタネにつなげていくための、友安製作所の大切なカルチャーのひとつです。
社内にさまざまな分野のプロフェッショナルが在籍しているオフィスの本棚には、これからご紹介する空間デザインやマーケティングの本はもちろん、インテリアの知識を広げられる専門書、セールスコピーや広告のトレンドを追えるビジネス書、地方創生に関する雑誌など、実にさまざまなジャンルが集まっています。
休憩中にふらっと立ち寄った他の社員が「おっ、これいいかも」と何気なく手に取ったり、持って帰って自宅でじっくり読んだり、仕事中のアイデア出しとしてパラパラと開いてみたり。一人の知見が、いつでも誰でも読みたいときに手渡され、自然と社内に広がっていくあたたかい輪ができています。
社員が選んだ一冊。インスピレーションの源を探って

今回は、そんな「インプットの宝庫」とも言える社内の本棚を、毎月のように利用しているという2人の社員にフォーカス。日々のものづくりの裏側で、一体どんな本からヒントを得ているのか、お気に入りの一冊を教えてもらいました。
空間デザイナー・Store編|建築&空間学のヒントをもらう3冊
まずお話を伺ったのは、工務店事業で空間デザイナーとして働くStore(ストア)。空間デザインの考案はもちろん、自ら現場に足を運び、お客様や工事担当者と打ち合わせしたり、社内で図面の作成を行ったりなど、お客様の理想の空間を形にするのがお仕事です。
もともと大の本好きというStoreは、この制度がはじまったときは「これは使わなくちゃもったいない!」と心躍らせたそう。
カフェやオフィスのリノベーションを担当することが多い彼女が選ぶのは、空間づくりの事例集やノウハウが詰まった本たち。アイデアの引き出しを開けたいとき、いつでも手に取れる場所に置いているといいます。

📖『Twinmotionデザインテクニック』(エクスナレッジ)
彼女が過去に購入した本の一冊目は、建築物のビジュアルを視覚的に分かりやすく表現できるデザインツール「Twinmotion」の使い方テクニックを網羅できる本。
「この仕事をするようになって初めて触ったデザインツール。右も左も分からなかった当時の私を支えてくれた、相棒のような一冊です」とStore。彼女にとって、原点とも言える大切な本になっています。

📖『カフェの空間学 世界のデザイン手法』(学芸出版社)
二冊目は、カフェの空間設計を著者の加藤匡毅氏の視点で分析した「カフェの空間学 世界のデザイン手法」(学芸出版社)。はじめて担当したカフェ「Factory Cafe CO-BA」の空間デザインを手掛けるにあたり、参考にしたといいます。「空間コーディネートだけでなく、素材や規模感、家具の高さ、緻密に計算されたバランスが勉強になります」。何度もページをめくり、付箋もつけたこの本とともに、大きなプロジェクトを形にしました。

📖『心地よい空間をつくる小さな設計・建築事務所』(パイ インターナショナル)
三冊目は、日本各地で設計士・建築士が手掛けたさまざまな建築物の事例が掲載されている「心地よい空間をつくる小さな設計・建築事務所」(発行・パイ インターナショナル)。住宅から店舗、公共施設まで、多岐にわたる作品が一冊に集められています。幅広い建物の実績を広げている友安製作所工務店、そしてStore自身にとって、「良いアイデアはないかな?」と迷ったときに、お守りのように開く本だそうです。

今年は「毎月本を購入して、仕事に活かすインプットを続ける」という会社の個人目標を設定したというStore。そのくらい友安製作所ライブラリーに対する想いは強く、現時点でも目を付けている本がすでに5〜6冊あるとのこと。半年間かけて、一冊ずつ購入を検討しているそうです。「仕事中に読み返したいと思うことが多いので、実は自席に5冊くらいの本をこっそり置いています(笑)」と、すぐにはオフィスの本棚に戻せないほど、一冊一冊に深い愛情を持っています。
「購入してもらった本ですが、最初はじっくり読みたい派。分厚い本でも一度家に持ち帰って読むんです」と、何度でも開いている様子。一度読んで終わりではなく、彼女の手元で長く、大切に愛用されていました。
EC店長・Mash編|「デザインと売上」のノウハウを学ぶ3冊
続いてお話を伺ったのは、友安製作所のサービスの核ともいえるインテリア&DIYアイテムのEC販売を担当する、WEBページ制作担当のMash(マッシュ)。ECサイトの店長を担い、商品ページや広告の制作、運用のほか、撮影のディレクションなども行っています。
友安製作所ライブラリーができる前までは、あまり本を読むタイプではなかったというMash。しかし、現在のポジションで仕事をしていく中で、デザインの視点だけでなく、営業やマーケティングの視点も求められるように。「基礎からしっかり知りたい情報があるとき」の助けとして、この制度をきっかけに本を読む習慣が身についたといいます。
「知りたい情報はネットで検索すれば出てくるかもしれないけれど、一冊に綺麗にまとまっている本の方が分かりやすいんです。せっかくこの制度があるのなら、という気持ちもありますね」と手に取って読むスタイルの「紙の本」ならではの理解のしやすさについて話してくれました。

📖『Photoshopレタッチ 2.0』(SBクリエイティブ)
彼女が過去に購入した本の一冊目は、常に進化を遂げていく画像編集ソフト「Photoshop」について、実践的なテクニックを詳しく紹介している『Photoshopレタッチ 2.0』(SBクリエイティブ)。最近ではAI機能が取り入れられるなど、さまざまな表現ができる中で、「周りと差をつけるデザイン」や「お客様の購入意欲を後押しするデザイン」とはどんなものかと、商品ページや広告を制作する際によく開いている一冊だそうです。

📖『プロフィットEC 中小ECサイトの収益最大化マーケティングガイド』(デザインエッグ)
二冊目は、マーケティングの考え方やECサイトでしっかりと利益を出すためのヒントやノウハウが詰まった『プロフィットEC 中小ECサイトの収益最大化マーケティングガイド』(デザインエッグ)。商品ページは、ただ商品の情報を掲載するだけでなく、お客様の「買おう!」という意思決定をサポートする大事な役割を担っています。ただ美しくおしゃれなページをつくるだけではなく、お客様の行動心理を理解した「戦略的なページ」をつくることが重要です。Mashはこの本をきっかけに、利益そのものの仕組みについてより明確に理解できるようになったそうです。

📖『60分でわかる! LLMO超入門』(技術評論社)
三冊目は、対話型AIモデルに向けた最適化のアプローチ「LLMO」について、初心者向けに分かりやすく解説した『60分でわかる! LLMO超入門』(技術評論社)。AI時代のマーケティングには、これまでとは違った新しい視点が必要です。この本は近日発売されたばかりの本だそうで、検索エンジンのAI最適化「AIO」などが大きな注目を集める中、さらに新しい概念であるLLMO。Mashはこうした時代の変化をいち早くキャッチし、日々の業務のアップデートにつなげています。
MashもStoreと同様、読みたい本が次々と出てくるそう。日頃からSNSやショップサイトにアンテナを張り、気になる情報や話題の一冊をこまめにピックアップしているのだとか。今回紹介した『プロフィットEC 中小ECサイトの収益最大化マーケティングガイド』も、SNSでECコンサルタントがおすすめしているのを見たことがきっかけで手に取りました。そうして読書で身につけたノウハウなどは、社内ですぐに共有しているとのこと。

WEB課の係長としても、チームを引っ張るMashにとって、日々のインプットは欠かせません。「良いなと思った本は同じチームの人たちにすぐにおすすめできるので、この制度は本当にありがたいです」と笑顔で話していました。
「本はあまり読まなかった」という過去から、友安製作所ライブラリーをきっかけに、通勤の合間や、時にはお昼休憩にまで本を手に取るようになったMash。彼女が日々アップデートしている知識は、WEB課、そして会社全体のものづくりに良い影響を広げています。
まとめ:学びのタネを、今度は人々の暮らしの彩りに咲かせて
今回、StoreとMashにお話を聞く中で、とても印象に残った言葉があります。 それは、2人からごく自然にこぼれた「会社に購入してもらったからには、しっかり仕事に活かさなきゃ意味がないですよね」という一言でした。
会社特有の福利厚生と聞くと、つい「あれば嬉しい、便利な制度」と捉えてしまいがちです。でも友安製作所の社員たちは、自分の仕事に誇りを持ち、選んだ一冊から必ず何かを吸収して、日々の仕事につなげようと真摯に向き合っています。そんなものづくりに対するストイックな姿勢を社内で高め合い、一プロフェッショナルとして進化し続けているのです。
「友安製作所ライブラリー」は、ただオフィスの本棚に本が増えていくだけの制度ではありません。社員一人ひとりが自律的に学び、互いに知識をシェアしながら、より良いものづくりを目指して成長していくものなのだと、改めて気づかされました。友安製作所はこれからも、この小さな本棚からたくさんのインスピレーションを受け取り、感性を磨きながら、みなさまの暮らしにそっと寄り添い続けていきます。
















Storeに今回の企画を相談すると、「めちゃくちゃあるんですよ〜(笑)」と、工務店専用棚の奥から分厚くて大きな本をたくさん抱えてきてくれました。どれも思い入れが深く、選定に迷ってしまったほど!