日が沈み、仕事のスイッチをオフにする瞬間。 私たちには、家でも職場でもない場所で、自由に話せる時間が必要です。
阿倍野駅から徒歩約3分。都会の喧騒から少し離れた場所にある、「友安製作所Cafe&Bar 阿倍野」。その扉を開けると、入り口すぐのカウンターで迎えてくれるのが、バーテンダーのBob(ボブ)です。夜な夜な明かりが灯るこのバースペースでは、Bobがセレクトしたお酒を嗜みながら、心落ち着くたわいのない会話が繰り広げられています。
ここでは役職も年齢も関係ありません。流れるのは、職種や立場の垣根を越えた、お酒の場だからこそこぼれ落ちる「オフモード」のトークの時間。
これからこのバーを舞台に、ゲスト2人を招いて一杯のお酒とともにテーマに沿った対話を繰り広げる連載を始めます。第一回目はスペシャル企画として、広報のCumin(クミン)がBobを訪ね、2人でのトークを展開しました。
「お酒は詳しくないけれど、誰かと話したい」「ちょっとだけ、背中を押してほしい」
さて、そんな静かな夜に寄り添ってくれる阿倍野バー、今夜も開店です。
本日のゲスト

Bob(ボブ)
阿倍野バーのバーテンダー。数年に一度は訪れるというディズニーランドへの愛と、20足ほど持っているスニーカー(特にジョーダン)集めが趣味。
ホスト

Cumin(クミン)
広報・ブランディング担当。アクティブなことが好きで、この冬はスノーボードにどハマり。お酒はハイボールに全幅の信頼を置く。
目次
【オーダー】まずは、いつもと違う一杯のハイボールから

Cumin:おつかれさまです! 普段は国産のウイスキーを飲むことが多いので、今日はいつもと違うハイボールが飲みたい気分です。
Bob:なるほど。それなら、日本のウイスキーに近くて、でも新しい発見がある一杯をつくりましょうか。これ、実はラベルに魚のイラストが描かれてあるシングルモルト(※)のウイスキーなんですよ。お酒が強くない人でも、国産が好きな人でもスッと飲みやすい銘柄なんです。
Cumin:わ、本当だ! 飲みやすくておいしい!

🥃今夜、Bobが差し出した一杯
「ザ・シングルトン ダフタウン 12年」のハイボール
スコットランドのダフタウン蒸留所で丁寧に造られた、なめらかでバランスの良いシングルモルト。雑味がなく、ナッツのような香ばしさとフルーティーな味わいが特徴。ウイスキー初心者にもぴったりな、ほんのりと長く続く余韻が楽しめます。
※シングルモルト:1つの蒸留所で造られた大麦麦芽(モルト)100%の原酒だけを使用したウイスキー
夢の国に感化され、もう一度バーテンダーの道へ
サービス業としてのキャリア20年。インテリア好きだったことから「インテリア商材の会社が運営しているバー」に惹かれ、2018年に入社したBobが歩んできた道のりは多種多様です。一度はバーテンダーから離れたこともありましたが、再び彼の心に火を灯したのは、意外にも憧れのディズニーランドが教えてくれた「接客の魔法」でした。
Cumin:やっぱりBobがつくるハイボールはおいしいです。この前、家で真似しようと思ったけど、全然上手くいかなくて。
Bob:嬉しいですね。特にこれといった難しいテクニックがあるわけではないけれど、氷の表面の温度を、お酒やグラスの温度に馴染ませるようにしているのは一つのこだわりかな。

Cumin:さすがプロ……。友安製作所に入社したのは、タイミングがぴったりだったんですね。これまでずっとバーテンダーを?
Bob:実はバー以外にも、居酒屋からスナック、銭湯まで(笑)幅広く経験してきました。一度は色々考えて離れたんですが、やっぱりもう一度バーテンダーをやりたいと思って、戻ってきたんです。
Cumin:銭湯とは、意外な過去ですね(笑)。なぜ、またバーの世界に?
Bob:お酒が好きなのもありますが、一番はお客様から「ありがとう」と言ってくれたときが嬉しいからかな。あと、お客様の目の前に立って会話ができるのも大きいです。居酒屋やカフェだと、注文を受けて運ぶだけになりがちだけど、バーの空間なら、お客様の懐に入って親身になって話を聞くことができる。その時間が、僕にとっても心地いいんです。
Cumin:確かに、バーで出る「ありがとう」って、どこか深い意味がある気がします。

Bob:僕がそう思うようになったのは、実はディズニーランドの影響が大きくて。あそこのキャスト(スタッフ)さんの接客サービスって、本当に素晴らしいじゃないですか。なぜだろうと考えたとき、単に商品や料理を「どうぞ」と渡す以上に、ゲスト(お客様)とのコミュニケーションを大切にしているからだと気づいたんです。ゲストの話を楽しく聞くことで、幸せな時間を過ごしてもらう。その姿勢に憧れて、僕もただ飲み物を出すだけではなく、会話を通して価値のある時間を届けたいと思うようになりました。
Cumin:バーテンダーがそんな風に考えてくれていると、こっちもつい本音がポロッと出てきちゃいますね。
Bob:悩みを聞くこともあれば、ふらりとふざけた話をすることもある(笑)。職種も価値観も違う人と対面で話せるこの空間には、何通りもの「楽しさ」と「苦しさ」が共存している。それが楽しくて仕方ないんです。
実は「誰でもウェルカム」なオープンBar
バーといえば、重厚な扉の向こう側にある「隠れ家」のような場所をイメージする人もいるかもしれません。しかし、阿倍野バーが大切にしているのは、あえてその敷居を下げたオープンな佇まい。メニューにない一杯を頼む贅沢も、お酒に詳しくない不安も、ここにはすべてを包み込む懐の深さがあります。

Cumin :私、緊張しちゃうから他のバーにはなかなか入れないんですが、阿倍野バーは安心して来られるんです。
Bob:一般的なバーはあえて入りづらい雰囲気にしている店も多いです。でもここは、建物の入り口すぐにある開放的なつくり。価格もカジュアルに設定しているので、扉は開けやすいはずですよ。
Cumin:メニューがないお店だと何を頼めばいいか不安な人も多いと思うんですけど、そこはどうですか?
Bob:もちろんメニューもありますが、ぜひ僕に直接相談してほしいです。「何が好きか」や「今の気分」、「予算はどれくらいか」を教えてくれたら、僕が提案します。
Cumin:「何を頼めばいいかわからない」という不安さえも、コミュニケーションに変えてくれるんですね。
Bob:そうそう。以前、カクテルの種類が分からなくて一生懸命スマホで調べているお客様がいたんですけど、「ぜひとも僕に聞いてよ!」って思いました(笑)。お酒に詳しくなくても、強くなくても、極論お酒が飲めなくても対応できることはあるから。あ、「私のイメージで」というオーダーだけは、ちょっと難しいですけどね(笑)。

Cumin:カジュアルに、若い世代も来ていいってことですね! いつか「クミンのスパイスが入ったお酒」が飲めるといいな〜(笑)
Bob:クミン入りかぁ(笑)。何かいい方法はないか、探しておきます!
テーマパークの思い出&プチ伝説の遅刻エピソード
友安製作所で働く仲間として、数年の月日をともにしてきたCuminとBob。数ある思い出の中でも、二人の記憶に鮮烈に刻まれているのは、テーマパークで起きた一幕です。当時のカオスな状況を、今こうして笑い飛ばせるのは、阿倍野バーのリラックスした空間が持つ魔法かもしれません。
Bob:4年くらい前、会社のみんなでUSJに行ったよね?
Cumin:Bobが遅刻してきた日のことじゃない?!やっと合流できたと思ったら、なぜかビール片手に悠々と歩いてきて。私、二度見しましたもん。

Bob:あはは、あのときは本当にすみませんでした! 前日の予定が長引いて大寝坊しちゃって。でも、着くなりビールを渡されたから、つい飲みながら合流しちゃったんですよね。
Cumin: まさかの出来事だったのでよく覚えています(笑)。同じグループになって行動したから、あの日に初めてちゃんと話しましたね。話すきっかけができて、実は嬉しかったんですよ。
Bob:あのときに並んでいたアトラクション、逆さまになるタイプだったから、酔いも相まって死ぬほど気持ち悪くなったな(笑)。でも、あんな失態を笑って許してくれる仲間がいるこの会社の温かさを、身をもって知った一日でもありました。
【エンディング】次なる立ち寄り人へ

普段は「お酒を楽しむ場所」として訪れるバー。しかし、じっくりと話を重ねる中で見えてきたのは、「お互いへの優しい関心」でした。バーテンダー・Bobがお客様に寄せる関心と、それに応えるお客様の安心感。この場所に流れるどこかホッとする時間の正体が、最後の一杯とともに明かされます。
Cumin:バーって訪れる人が話を聞いてほしい場所だと思っていたけど、実はバーテンダーの方から「お客様に興味を持ってくれている」んだと分かって、凄く安心しました。
私もかつてUSJで接客のアルバイトをしていたことがあるんですが、人と向き合うのってエネルギーがいりますよね。だからこそ、Bobは凄いなって。
今回はありがとうございました! 今後もいろんなゲストを呼んで、ここでのオフトークを広げていきたいんですが、いいですか?
Bob:ぜひ。僕もまだまだ話したことがない人がたくさんいるから、これを機に来てくれたら嬉しいな。あ、いつも飲みに来てくれる社員メンバーはもう十分なので、それ以外の人をお待ちしています(笑)。
まとめ:阿吽の呼吸で流れる、阿倍野の夜。
静かに、かつ時折はじけるような笑いとともに繰り広げられた、CuminとBobのトーク。チャーミングな人柄のBobを、信頼感のあるCuminがしっかり引き出して受け止めるという、友安製作所でともに働く仲間だからこその関係性が分かる時間が流れていました。
次はどんなゲストが、このBarに訪れるのか。次回もお楽しみに。














普段は「国産ウイスキー」に全幅の信頼を置くCumin。そんな彼女の好みを汲み取りつつ、店主・Bobが提案したのはスコットランド産のシングルモルト「シングルトン」。
慣れ親しんだ味の次のステップとして、新しい世界の扉をそっと開きます。バーの夜は、そんな小さな「お酒の冒険」から始まりました。