若い世代を中心に、レトロな趣やどこか懐かしい雰囲気で親しまれている「古民家」。最近では古民家を改装したカフェや宿泊施設も増え、その風情を楽しめる機会が多くなりました。しかし古民家の楽しみ方は、それだけではありません。1日限りのワークショップ、ギャラリーの展示、ポートレートの撮影など、「少しの間だけ、人目を気にせずにこの空間を自分たちだけで使いたい」……そんな願いを叶えてくれるのが、レンタルスペースという選択肢です。
実は、時間貸しで利用できる古民家は全国にたくさん増えています。古き良き空間を独占して、自分たちだけの時間を過ごす──日常の喧騒を忘れられる、最高に贅沢な使い方ができるかもしれません。
今回は友安製作所が運営するレンタルスペース予約プラットフォーム「カシカシ」のスタッフであるRye(ライ)とCitrine(シトリン)が、ライターのPohとともに「一度、来てみたかった」という古民家を実際にレンタルして、カシカシに掲載されている古民家を訪ねてみました。お気に入りの和菓子を持ち寄り、静かな空間を心ゆくまで堪能した3時間。その体験談を通して、訪れた古民家レンタルスペースの魅力や周辺のまちのレポートをお届けします。
目次
陽光が差し込む縁側に見惚れて
-00000028-819x1024.jpg)
利用した古民家の名は「古民家SOU」。
阪急吹田駅から徒歩約3分のところにある、GreenLab Associates建築設計事務所が運営するレンタルスペースです。事務所が隣接された古民家で、築100年以上の歴史を刻む建築物となっています。
-00000045-1024x819.jpg)
撮影やイベントで使用されることが多いというこの場所の人気の理由は、“陽光が差し込む縁側”があるということ。陽の光を浴びた縁側の先には生き生きとした庭の緑があふれていて、あたたかい空気とほのかに流れる心地よい風を感じることができます。
今回は9:00〜12:00の3時間で予約して、古民家SOUの魅力をたっぷり堪能しました。
まずは古民家の探検へ
-00000019-1024x683.jpg)
お天気に恵まれ、撮影日は絶好の古民家日和。それぞれ大荷物で訪れたものの、駅から徒歩約3分ということもあり、苦労もなくすぐに到着できました。暗証番号式のキーケースからカギを取り出して中に入ると、「えー!素敵!」と感動の声が止まぬ私たち。心を弾ませながら、さっそくお部屋を探検しました。
-00000142-1024x819.jpg)
外とお部屋をつなぐ、開放的な土間スペース
全面ガラス張りの引き戸を開けると、無機質なコンクリートの床に、ヴィンテージの木壁などであしらわれた土間スペースが。端に8人ほどが向かい合えるくらいの大きなテーブルが2つ並んでいても十分な広さを保つ土間は、持ち込んだベビーカーやアウトドアグッズなどをそのまま置けるくらいの広さでした。大人だけでなく、子連れでも気兼ねなく利用できそうです。
出入口の目の前には自動販売機が設置されているため、飲み物を忘れて来てもすぐに手に入れられます。

中に足を踏み入れると、奥の和室が突き抜けて見える様子が分かります。軽く腰掛けることができる玄関の段差にはスリッパが並べられ、お部屋にいる人との会話も弾みそうです。
愛おしい時間を思い出す、懐かしさあふれる和空間
靴を脱いで和室に進むと、まるでおばあちゃん家にあそびに来たかのような、ノスタルジックな雰囲気が漂っていました。荷物を置きながら、どこかで見たことがあるような、昔ながらの紐式照明でカチカチッと電気を付けます。周りを見渡した景色は、「ここでどんなことができるかな?」と想像が膨らむ時間でした。
和室1
出入口手前の和室には、ちゃぶ台とソファが置いてあります。キッチン部屋やフリースペース、大和室、土間スペースにつながっている、6畳の小部屋でした。
和室2
-00000026-1024x819.jpg)
縁側の通路につながっている8畳の大和室。晴れの日だと陽光の美しさがよく感じられるお部屋です。ローテーブルと座布団が置いてあるため、ひと息つきたいときには縁側を眺めながらそっと腰掛けたり、談笑したりできそうです。
和室3
-00000008-1024x683.jpg)
大和室の隣にある6畳の和室。ローテーブルと椅子が置いてあります。明るめの照明が付いているため、作業部屋としても利用できそうです。実際にRyeが、隙間時間にパソコンを開いてお仕事をしている様子が見られました。
古民家SOUは最大20人まで利用でき、テーブルの設備が充実していました。大人数で使えるとなると、活用方法の幅が広がります。
素晴らしい絶景をもっと近くで。自然を満喫する縁側
-00000011-1024x683.jpg)
外とつながる縁側。スライド式のガラス戸が取り付けられているので、室内でありながら、まるで庭の一部に溶け込んでいるような開放感を味わえます。
日によっては、縁側の板張りに落ちる陽光の美しさを感じられるとのこと。長い年月を経て磨かれた木の床が、太陽の光を反射して琥珀色に輝く様子は、思わずカメラを構えたくなります。
-00000039-1024x683.jpg)
縁側のすぐ先には手入れの行き届いた庭の緑が広がっています。 「最近、土や草の匂いを嗅いだのはいつだったかな……」 という会話が自然とこぼれるほど、駅近の都会とは思えないおだやかな時間が流れていました。
-00000153-819x1024.jpg)
-00000048-1024x683.jpg)
縁側は、庭の景色を眺めながら読書などもいいですね。あたたかい日には、ガラス戸を開けてぽかぽかした風を浴びながらなんでもない時間を過ごすのも良いかもしれません。
おだやかに時が過ぎていく、静寂に包まれた場所
-00000005-2-1024x683.jpg)
中央の和室の隣には、一人掛けのソファとサイドテーブルが並んでいるお部屋などのフリースペースが連続してありました。より静寂に包まれたこの空間で本を読んだり、ティータイムをしたりと、おだやかな時間を想像できます。隣には風情漂う本棚のスペースや、開放的なお部屋たちとは対照的なプライベートスペースがありました。
-00000001-1024x683.jpg)
長年この建物を支えてきた木の床や壁の傷は、エモーショナルな空間へと現在も歴史を積み重ねています。
-00000004-1024x683.jpg)
-00000029-1-1024x819.jpg)
探検の合間に、せっかくなので一人掛けソファに腰掛けてゆっくりする時間を設けました。クリアな電球をひとつ付けて、無の時間を満喫。心地よい時間となりました。
和と洋のコントラストが美しい、キッチン&トイレ
古民家らしい落ち着きと親しみやすさが感じられる古民家SOUですが、キッチンやトイレは少し表情が違いました。あたたかみのある空間の中に、高級感のある美しさが共存しています。
キッチン
北欧やヨーロピアンの世界観を想像させる、白とブルーを基調としたキッチンスペース。菓子製造業や飲食店の営業許可を取得しているため、シェアキッチンとして利用することもできます。普段のレンタルでは食器類の使用はできませんが、水道設備は使えるため今回のようにお気に入りの器を持ち込んで洗い物をすることが可能です。マルシェなどで利用される人も多いそうです。
シェアキッチンとしての利用をご希望の場合は、事前にオーナーさんとの面接が必要です。一度カシカシ経由でオーナーさんにお問い合わせください
トイレ
-00000059-1024x683.jpg)
トイレは愛らしいサインプレートと長年使い込まれた木製の扉が魅力的。写真はないですが、扉を開けば現代モダンの雰囲気があるタイルが主役のデザインになっています。おしゃれな中にもわずかに陽光が差し込み、自然の豊かさを感じることができます。
-00000056-1024x683.jpg)
トイレに向かう通路には風鈴がありました。ちょうどこの日は程よく風が流れていたため、「チリンチリン」と涼しげなガラスの音が響いていました。この日を境に夏を感じ始めました。
四季の移ろいを味わう、ほっと落ち着く甘さの和菓子をひとくち
-00000137-1-1024x683.jpg)
探検が終わった後は、のんびり和菓子を楽しむ会を。古さを活かして心地よい空間を紡いでいくこのお部屋で、持ち寄った和菓子を楽しみました。古民家ならではの味わいを楽しみながらいただく甘味は格別です。

一部の和菓子は、阪急吹田駅から隣の豊津駅近くにある、「ばってんや 長衛」で購入。吹田駅からも徒歩約15分でたどり着く、老舗の和菓子店です。せっかくなので、縁側にも移動して和菓子を堪能しました。
-00000126-1024x819.jpg)
優しく流れていた時間が終わりを告げる
-00000053-1-1024x683.jpg)
あっという間の3時間。「あ!あそこに風鈴がある」と平和な会話を繰り広げながら、楽しく終わりを迎えた古民家のひとときでした。名残惜しく、お部屋を後にします。
特別なイベントがなくても、ただ「自分たちだけの静かな空間」を持つという、それだけで、日常が少しだけ潤うことを教えてもらった3時間でした。
古民家が馴染む、住みよい吹田のまち
-00000054-1024x683.jpg)
今回紹介した古民家SOUがあるまち、吹田は下町情緒が残る北摂エリア。ファミリー層からシニアまで幅広い世代の人たちが安心して暮らせると評判のまちでもあります。交通アクセスが充実している一方で、万博記念公園などの緑豊かな公園も魅力的。吹田駅周辺はこじんまりとした飲食店や医院などが充実していました、レンタルスペースは阪急吹田駅から徒歩約3分と好アクセスなので、初めてでも迷わず安心して訪れることができる立地です。
-00000157-1024x683.jpg)
古民家SOUは吹田駅の南改札口の左に出ると近いです。反対側の出口を出ると吹田市役所があります。
-00000160-1024x683.jpg)
-00000161-1024x683.jpg)
結びに:日常の余白をくれる、古民家の力
今回体験した古民家SOUは、何か特別な準備をしたわけではありません。ただお気に入りの器や和菓子を持って、趣のある空間に身を置いただけ。
それでも、使い込まれた木の床の感触や、縁側から差し込むやわらかな光、静寂の中で仲間とほのぼのと交わす何気ない会話は、カフェや自宅では味わえない心のゆとりを与えてくれた気がしました。
みなさんもぜひ、古民家SOUをカシカシから予約して、自分たちだけの「特別なひととき」を過ごしてみてください。

-00000015-1024x683.jpg)
-00000007-1-1024x819.jpg)
-00000006-1-1024x819.jpg)
-00000021-1024x683.jpg)
-00000024-1024x683.jpg)













大和室の横に取り付けられていた引き出し。趣があり、堂々とした佇まいです。古道具好きの心をぐっとくすぐられるような味わいが、とても印象的でした。